NPO法人イー・ビーイング
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時には緑陰で古典を

 鬱々した梅雨も明け、白い雲、青い空。暑い夏…
 しかし、経済・社会の鬱々は明けそうにない。

 こうした状況において、個々人にとって最も必要なことは、一人ひとりが明るく前向きに生きることである。
 これも単に明るく前向きなだけなら、すぐポシャルことになる。
 永続的に元気なためには、真面目に惜しみない努力をすべきである。
 この過程から出てくる達成感の中にこそ、希望も見えてくるのである。

 そんな努力をしているだろうか?
 明るさは、希望は、社会から、他人から生まれるものではない。
 一人ひとりが、責務を果すことから生まれる。
 もし自分に希望が生まれてこないとしたら、その努力の方向、仕方、努力の蓄積を疑わねばならない。

 8月にはそれぞれが夏休みとして、少しまとまった時間がとれると思う。
 この休みを充電のチャンスとしてとらえ、古典であれビジネス書であれ、10冊はと言いたいが、5冊くらいは読破して欲しい。特に古典をおすすめしたい。
 まず、私の好きな短歌行を少し紹介する。

酒に対しまさに歌うべし人生いくばくぞ
たとえば朝露のごとし去りにし日はなはだ多く
青々たるきみが衿悠々たる我が心
ただ君の為故に沈吟して今に至りぬ
   …          赤壁戦のくだり

 これは覇道のチャンピオンで、法家の現実主義者曹操のものである。
 155年から220年に生きた英雄の思いが、2012年に生きる私たちにも切々と胸に迫る。
 このように古典は、悠久の時間軸を生き残った思想を伝えてくれる最高の贈り物である。

 古典を直接読むにはもう一つ自信がない方に山本七平氏による『帝王学』をおすすめする。
 この一冊で「貞観政要」「宋名臣言行録」「孫子」が学べ、緑陰にもってこいである。

 こうした読書の研鑽と日々の努力との組み合わせが、明るい未来への一歩となる。

理事長  井上 健雄

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