NPO法人イー・ビーイング
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「地域おこし」考察

 2月になると、新年度に向けて政府から予算編成に絡みいろんな数字が出てきます。
 日本の債務の額と破綻見積り、日本人口と労働人口と移民数、年金受給額、貯蓄率の変化、消費税率のUPと時期、原子力発電所の耐用年数etc…
 しかしこれらの数値は、今始まったことでなく、もとから読み込んでおくべきことであるのに、年ごとに大変だ大変だと言い立てての予算取りである。
 こうしたことは企業でも家庭でもフラクタルに起こっている。

 こうした数字から抜本的な対策は出てこない。
 広く(地域<日本全体<世界)、深く(歴史をさかのぼり)見て考えることが重要である。
 時間的余裕はない。
 例えば、港湾を考えるにしても、東京湾の中だけでも、東京だ!川崎だ!横浜だ!千葉だ!…と言って港湾強化費を争っている。
 もう世界は韓国なら釜山だし、オランダならロッテルダム、ドイツならハンブルグと国としてのハブ港を確立させて、世界のマーケットの中で屹立している時代なのに。
 国としての課題を、地域の自己主張へのチュウチュウタコカイナでは駄目なんです。

 また、日本から遠く離れたソマリアでの話があります。
 ILO(国際労働機関)のチームがソマリア難民の女性たちに‘石けんを作って売るプロジェクト’を支援している。
 支援を受けて作っている粗雑ともいえる石けんは、まともな販売価格をつければ、ブランド石けんより高くなるものだった。
 ILOメンバーは、女性たちの自立、絆づくり、自尊心を育てるとして大切だと言うとしても、これが支援に値するだろうか。
 支援がなくなっても競争力ある売価がつけられるものでなくて、自立や自尊心につながるものではないだろうし、とても持続的ではない。
 こうした独りよがりの支援では、貧困をなくせないだろう。

 日本の空港にしても、開港を含め91もある。
 少し考えるべきではないか。
 東北三県(青森、秋田、山形)だけで6港もあります。

青森は、 青森空港(津軽藩)と三沢空港(南部藩)
秋田には、大館能代空港(小場義成藩)と秋田空港(久保田藩)
山形には、庄内空港(庄内藩)と山形空港(米津氏長瀞藩)

など旧の藩が生きている様です。あの廃藩置県は何だったんでしょう。
 まぁそれでも構わないのですが、ハブ空港が一つもない。
 こうしたことは国レベルというか、世界のハブ空港のあり方から考えて、空港開港は、考察されるべきでしょう。
 藩あって州なし、州あって国なしでは困ります。

 個々の小さな努力は、地域として、国として、競争力や地域おこし、につながっている事実が重要です。
 そうした意味で、今はやりの地域おこしも、世界から見て、歴史から考えてしっかりとした取り組みをしないと、金だけ使い将来の債務となってしまいます。
 このような考え方で、私たちは、ムラマチ連携による地域おこしに取り組みます。
 もう少ししたらグランドデザインを発表します。
 よろしく叱咤激励、支援お願いします。

※州とは、県のいくつかの集合体という意味

理事長  井上 健雄

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