NPO法人イー・ビーイング
NPO法人イー・ビーイング
ハイ・パフォーマー

♪「もしもしかめよ かめさんよ … どうしてそんなにのろいのか」
「なんとおっしゃる うさぎさん それならおまえとかけくらべ …」
「… あんまりおそい うさぎさん さっきのじまんは どうしたの」♪

 この童謡はおもしろい。
 うさぎと亀のかけ比べ、普通ならうさぎが圧倒的に早いだろう。
 ちょっと考えれば、亀さんのあの体型、あの短い足で、うさぎさんのピョンピョン野山駆ける足、陸上じゃ勝負にならないでしょう。

駆けるアビリティ; うさぎ > 亀

 しかし結果は、亀さんの勝ち。

成果を達成するコンピテンシー; うさぎ < 亀

 亀さんはうさぎさんの傲慢さ、なまけ癖を知って、継続した努力でパフォーマンスをあげたのである。
 この能力をコンピテンシーという。
 こうしてやっとコンピテンシーに入ったのだが、それをもう少し展開しよう。

 コンピテンシー・モデルは1970年代、ハーバード大学のマクレランドという心理学の教授の研究に始まったものである。
 彼は、同じような知識・学歴であっても、高業績者(Hi Performer)と低業績者がいることに気付いた。
 そうした経緯から、ハイ・パフォーマーを創る為にコンピテンシー・モデルが企業に導入されつつある。その背景は、三つある。

一、機能主義人事 → 戦略人事
二、職能資格制度の欠陥(潜在能力と顕在能力のアンマッチが多い)
三、人事システムのグローバル・スタンダード化

 このように、いろいろな企業でハイ・パフォーマー創りのコンピテンシー・モデルが始まっている。
 私たちはもっと高いレベルのハイ・ハイ・パフォーマーを必要としている。

(参考)
能力マップ  能力マップで先程のうさぎさんと亀さんを比較すると、X軸の上下、T象限対W象限となる。
 個人能力をあげ、そして組織パフォーマンスを高めようとするものである。
出所;根本孝氏「ラーニング・シフト」より

 そこで私は、ウィリアム・マーサー社が整理しているコンピテンシー・ディクショナリーの克服を奨めたい。

@遂行/追求A適応/調整B統合/展開C創造/変革
(1)自己自己統制力自己適応力自己展開力自己変革力
(2)対人対人追求力対人協調力対人指導力対人変革力
(3)成果成果追求力成果調整力成果統合力成果創造力
(4)戦略戦略遂行力戦略調整力戦略立案力戦略創造力
(5)思考論理追求力論理伝達力論理統合力論理創発力
(6)情報情報追求力情報伝達力情報統合力情報創造力
(7)時間効率追求力効率調整力効率統合力効率創発力

 つまりこれを、「企業が人を評価するもの」とするより、個人にとって自己啓発、そして高い業績を納めるためのマイル・ストーンとして位置づけ、一つひとつクリアしていくべきものとすれば、なかなか面白い課題である。
 社会人初期には、(1)自己、(5)思考、(7)時間の三つについて、@遂行/追求とA適応/調整までは身につけて欲しい。
 それなしには、ハイ・パフォーマー・ビジネス・マンの糸口さえ掴めないであろう。
 ひたすらな精進により、前進しようではありませんか。

理事長  井上 健雄

NPO法人イー・ビーイング
Copyright(C) 2003-2016 NPO E-BEING. All Rights Reserved