新しい公共システムの創造
現在、今生きて、働いている人々は、殆どが日本の黄金期に育ってきた人々である。
私もこの世代である。
歴史家、Eric John Everest Hobsbawnが考察している。
彼は、20世紀を俯瞰し、明らかに性格を異にする三つの時代※があったと分析している。
乱暴に整理するとこうなる。
一、1900〜1945年破局の時代
二、1945〜1975年黄金の時代
三、1975〜現在不確実性の増加と新しい危機の芽生え
※邦訳『20世紀の歴史−極端な時代』
ただこうしてシャープに整理されると、成程と腑に落ちる。
今、私たちが生きている時代は、不確実性の増加と新しい危機の萌芽の中にいるのである。
これだけを信奉するのではないが、私たちは、やはり大きな転換期にいると思う。
つまり、黄金期に成長を謳歌した親たちと、不確実性の中で低成長期に育った子供(青年)たちという、二つの両極端が対峙している社会にいる。
両世代のコミュニケーション・ギャップも当然あろうし、黄金世代が、新時代に相応しい行動原理を持っているかも心配である。
私たちは、資本主義、市場原理、自由主義を過信していたと思う。
これからの世界は、成長から社会的分配へ大きく軸を切り変えようとしているのである。
グローバルにも、ローカルにも、市民生活と経済性と環境を調和させる解が求められている。
これらを考え抜いた先にしっかりした持続的な道がある筈である。
私は、その解として、「新しい公共システムの創造」があると思う。
このコンセプトのもとに、私たちは、自分の生活をどう組み立て、責任あるNPOとしてどう事業を構築し、各所とどう協働していくかを、考えるべきなのである。
この極端な時代を生き抜くには、智慧と圧倒的な努力が必要なことは確かである。
グローバルにも、ローカルにも、市民生活と経済性と環境を調和させる解が求められている。
これらを考え抜いた先にしっかりした持続的な道がある筈である。
私は、その解として、「新しい公共システムの創造」があると思う。
このコンセプトのもとに、私たちは、自分の生活をどう組み立て、責任あるNPOとしてどう事業を構築し、各所とどう協働していくかを、考えるべきなのである。
この極端な時代を生き抜くには、智慧と圧倒的な努力が必要なことは確かである。
理事長 井上 健雄