NPO法人イー・ビーイング
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共有を促進する「ナイスシェア」

 2月4日 立春。
 『暦どおり春のような天気だね〜』と呟いていると、『春が立っても、筆は立ちませんねえ…』と言われ、はたと気が付く挨拶。遅れて申し訳ありません。ボ〜としている暇はたくさんあるのに、書く時間は不足しているんですよ…
 ということで今月は、過剰と不足について書こうかなと思います。少し安直ですが。

 過剰の例について、まず調べてみましょう。
 アメリカです。まずクエッションです。
 Q. この50年間、ず〜っと毎日2つ以上建てられてきているもの何でしょう?
 A. マクドナルドのお店?
 ブゥー、個人倉庫です。
 現在、全米に53,000棟を超える個人用倉庫があります。面積6,600万坪、アメフトグラウンドの38,000個分です。使用料金1兆8,000億円以上を支払っています。
 2005年現在、平均70坪の家に2.6人でしか住んでいないのにですよ。

 これ一つを見ても、先進国では特に、過剰が地球上に居座っているとしか言えないですね。
 誰だってモノが、欲しくて一生懸命働いて、そのモノと別居する。悲しいですね。
 考えれば、我が家だって倉庫を借りるまでいかなくても、3部屋はモノで満たされて倉庫状態です。残るLDKと寝室だけで生活している有様です。

 そこで私は、考えたのです。
 資源は一人ひとりが持つのでなく、もっとシェア(共有)すべきなんです。
 この共有のプロジェクトを、イー・ビーイングでは「ナイスシェア」として稼働させております。

 シェアの例として、カーシェアリングを考えましょう。
 車って、本当にどれだけ使われているでしょう。アメリカのビッグ3が、政府から救済を受けている間に、国内のカーシェアの会員数は51.5%も増加しているのです。
 アメリカも変わり始めているのです。所有から使用へです。

 イー・ビーイングの提唱する「ナイスシェア」の仕組みを始めるにあたり、二つの相反する思想があり、思考を重ねた末に、エリノア・オストロムさんに賛成し始めたのです。
 二つの思想とは、一つは1968年、生態学者ギャレット・ハーディン(1915〜2003)がサイエンス誌に寄稿した論文「コモンズの悲劇」があります。多数の人々が利用できる共有資源は、乱獲されることによって資源の枯渇を招いてしまうというものです。
 もう一つは、2009年、ノーベル経済学賞を受賞したエリノア・オストロム(1933年〜)が、発表した共有資源についてのガバナンスによる効果性があります。市場だけが、資源効率的に配分するという経済学者の合意に異議を唱え、管理の効率性は市場でも政府でもなく、この両者に加え、コミュニティにあるとしました。コミュニティが、適切なルールを取り決めて保全管理するというセルフガバナンスの方が、個人所有より効率的になることを実証したのです。

 そこで過剰なモノ(モノ・土地…)をプールし、それを不足する人が活用するという仕組み「ナイスシェア」を考察しました。
 面白いでしょう。皆さまもご参加ください。お待ちしていますよ!!!

理事長  井上 健雄

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