NPO法人イー・ビーイング
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珊瑚礁

 ありがとうで夏の海山リゾートとして、農業について太古の時代まで遡り触れた。
 この挨拶では、海について展開する。

 海とくれば、青い海の珊瑚礁であろう。
 まず下世話であるが、日本の珊瑚礁の提供する経済価値について調べると、こうなる。

a.漁業への価値 100億円
b.海リゾート 2,400億円
c.防波堤 80〜800億円 (年額)

 これを世界の海とすると、50兆$とも言われている。世界GDPに匹敵する値である。
 しかしここで述べたいのは、経済価値より、もっと凄いと考える珊瑚礁の共生である。
 共生!ふん!じゃなく、本当に素晴らしい共生なんです。

 あの透明度も高く美しい海、つまり貧栄養に見える海なのに、どうして色とりどりの魚、生物が生息しているのでしょう。
 まず、読者のみなさんと会話しながら進めましょう。

私; 珊瑚って植物ですか、動物ですか。
みな様; どうですか。石づくりの海のセレブマンションに見えますよね。
だから、植物かなぁ……
私; 答えは動物です。
みな様; エッ。サンゴって動かないし、どうやって餌を取り生きてるの?
私; それはね、珊瑚の中に棲んでいる褐虫藻(カッチュウソウ)がサンゴに餌を与えているんです。
みな様; ホウ。そうするとサンゴは動かずに餌を貰えて得していますね。
私; いいえ、それだけの関係でもないんです。
カッチュウソウはサンゴの中に入れてもらい外敵から身を守っています。
サンゴさんは、カッチュウソウさんの為にできる限り太陽に向けて枝を広げて、カッチュウソウさんの光合成を助けているんですよ。
そして光合成の結果の蛋白質やアミノ酸をサンゴさんに与えている訳です。
みな様; エッやっぱりサンゴが得だな。
私; そうばっかりでもないんです。
サンゴさんは動物だと言いましたよね。つまりサンゴさんの出すCO2が、カッチュウソウさんの成長を助け、珊瑚さんの排泄物がカッチュウソウさんの餌になるという訳です。
海は汚れないし、二つは完全に共生しているんです。
その上、サンゴさんは、カッチュウソウさんからもらった栄養の1%を自分の成長にあてるだけで、残りの半分で生活し、あと半分は粘液を作っているんですよ。
この粘液はサンゴの体を砂やゴミから守ったり、浅いところのサンゴさんが大潮で水面から出てしまうときに、その液で自分やカッチュウソウさんを守るんです。その上、この液が溶けていろいろな生物の栄養になるんですよ。
これ以外にも珊瑚礁には、サンゴガニとか…もっともっと共生関係があるんですが、これ位にしましょう。
みな様; 本当に素晴らしい。ブラボウ!!
私; ありがとうございます。ご理解いただけて嬉しいです。

 こんな関係が世界中、海の中、山の中、土の中……沢山沢山沢山あると思います。
 これを壊しているのが人間なんですよ。犯人は。
 珊瑚の白化現象(1998年のエルニーニョでは、世界の16%の珊瑚が死滅)も、海の温度が1〜2℃高くなるだけで起こるんです。
 地球の温暖化現象の結果です。

 この地球には、私たちの知っているという種は180万種、未知のものを含めると3,000万種の生物がいるんです。
 これらの複雑な素晴らしい共生があって、いまの地球があるんです。
 私たちがこの共生を守ることなく、私たちの生はありえません。

 8月はリゾートを中心に、農の持つ意義を都市で再発見する試みとして、屋上菜園(どこでもファーム)を提案しました。(8月のありがとう
 この挨拶では、海のサンゴを中心にリスペクト(敬意)すべき共生について語りました。
 私たちも、もっともっと連携し、素晴らしい社会を創りましょう。

理事長  井上 健雄

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