NPO法人イー・ビーイング
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勇気

世の敗北者の多くは、
諦めたときに成功がどれほど間近にあるかを
知らなかった人びとだ。
−トマス・エジソン

 私は、結構本が好きだと思う。
 ビジネス書がメインだが、小説も沢山読む。特にジョン・グリシャムは面白い。
 しかしこうした出版物も、最初から受け入れられた例は少ない。
 グリシャムの第一作『評決のとき』は、26の出版社に断られている。
 注目されたのは、第2の原稿『法律事務所』の海賊版が、60万$で映画放映権を獲得したことにある。

 もっと売れるのに苦労したものに、『まぬけたちの連合』のジョン・ケネディ・トゥールがある。
 ジョンは、ありとあらゆる出版社にはねられて、ついに自殺をしてしまっている。
 しかし彼の母親は、もっと頑張り屋であった。その後11年も原稿を持って歩き、ついに出版の機会を得ている。
 そしてそれは、200万部も売れ、フィクション部門でピューリッツァー賞まで獲得したのである。
 こうした例に、アンネ・フランクの『若き少女の日記』もある。はねられ、くさされたにもかかわらず、3,000万部も売れている。

 つまり成功とは、決して諦めない人間だけが勝ち取る称号なのかもしれない。
 しかし、ここで述べたいことは、単に頑張れということだけではない。
 人、世間の評価は、ランダム性が高いということを知るべきだということである。
 ランダム作用によって、異なった結果を招いているのである。
 良いランダム性は、人徳にあるかもしれない。
 つまり能力も、成功確率の一つの要素でしかないということである。

 従って正しい意思決定とは、成功を尺度とすることでなく、自己の才能、自己の作品に自信を持つことにある。
 つまり人を分けるのは、真に自己を信じる勇気にあるのである。

 この勇気とは、日々の精進のもとにしか生まれない。
 精進とは、意味あるアウトプットをきっちり出すということである。
 意味あるアウトプットを日々出せる人を、勇気ある人というのである。
 ランダム性が、ますます高まる中で、さぁ一層、勇気しましょう!

理事長  井上 健雄

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