諦めたときに成功がどれほど間近にあるかを
知らなかった人びとだ。
私は、結構本が好きだと思う。
ビジネス書がメインだが、小説も沢山読む。特にジョン・グリシャムは面白い。
しかしこうした出版物も、最初から受け入れられた例は少ない。
グリシャムの第一作『評決のとき』は、26の出版社に断られている。
注目されたのは、第2の原稿『法律事務所』の海賊版が、60万$で映画放映権を獲得したことにある。
もっと売れるのに苦労したものに、『まぬけたちの連合』のジョン・ケネディ・トゥールがある。
ジョンは、ありとあらゆる出版社にはねられて、ついに自殺をしてしまっている。
しかし彼の母親は、もっと頑張り屋であった。その後11年も原稿を持って歩き、ついに出版の機会を得ている。
そしてそれは、200万部も売れ、フィクション部門でピューリッツァー賞まで獲得したのである。
こうした例に、アンネ・フランクの『若き少女の日記』もある。はねられ、くさされたにもかかわらず、3,000万部も売れている。
つまり成功とは、決して諦めない人間だけが勝ち取る称号なのかもしれない。
しかし、ここで述べたいことは、単に頑張れということだけではない。
人、世間の評価は、ランダム性が高いということを知るべきだということである。
ランダム作用によって、異なった結果を招いているのである。
良いランダム性は、人徳にあるかもしれない。
つまり能力も、成功確率の一つの要素でしかないということである。
従って正しい意思決定とは、成功を尺度とすることでなく、自己の才能、自己の作品に自信を持つことにある。
つまり人を分けるのは、真に自己を信じる勇気にあるのである。
精進とは、意味あるアウトプットをきっちり出すということである。
ランダム性が、ますます高まる中で、さぁ一層、勇気しましょう!
理事長 井上 健雄