ニコライ・ドミートリヴィッチ・コンドラチェフという名をご存知でしょう。
彼はサンクトペテルブルグ大学を出て、25歳のときにはロシア政府の食糧副長官になり、46歳で銃殺隊により処刑されている。
この短い生涯のわりに後世にまで名を残す「コンドラチェフの波」を発表している。
混乱と熱狂、続く飽和と成熟、そして衰退というように「経済というものは、50〜60年周期で好景気と不景気を繰り返している」ということを発見した。
1780年〜1930年頃までを分析し、3つ波に分類している。一つの波の衰退は、次の新しい波をもたらすとしている。
第一の波(1780〜1848) | 産業革命のときであり、水力を利用した機械化で紡績業が大発展した。 |
第二の波(1848〜1895) | 蒸気機関を動力として、鉄道時代に突入 |
第三の波(1895〜1940) | 電気と重工業と鋼鉄時代 |
1938年に生涯を閉じるので、第四、第四の波は最近の学者によって付け加えられている。ヨーゼフ・シュンペーターやクリス・パーペンハウゼンらである。
第四の波(1941〜1980) | 自動車が登場し、石油と大量生産の時代 |
第四の波(1980〜現在に至る) | 情報通信技術の時代 |
この5つの波を超えて、第六の波がきている、というのが流行の理論である。
第六の波を理解するコンセプトが5つある。
- 廃棄物こそチャンス
- 商品でなくサービスを売れ
- デジタル界と自然界は融合しつつある
- 原子は地元に、ビットは世界に
- 迷ったら自然を見よ
※この5つについては他のレポートとかで詳述します
これらを総称すると、エコネイティブの時代と言えるのではないだろうか。
この六波は、2011年頃から2050年位まで続くものと考えられる。
私たちが、どの波の中にいるのか、現時点では分かりにくいが、少なくとも波の切れ目あたりに位置しているのだと思う。
第六の波については、先月掲載した「共有を促進するナイスシェア」が一つのソリューションの柱になるものと考える。
長期スパンで洞察し、波の中でどのようなアイデンティティを築くかが盛衰のポイントとなろう。不景気の中でこそ成長の萌芽が生まれているのだから…
理事長 井上 健雄