今月の言葉
2008年バックナンバー
12月 一日の華を摘め
11月 商店街おこし 〜防災市〜
10月 実りの秋の心得
9月 多面的に観る
8月 文化創出者
7月 正しい成果のために
6月 あと一歩の常識
5月 日本の銀行とグラミン銀行
4月 苦労万歳(2)
みんなちがってみんないい
3月 苦労万歳(1)
モノを大事にそして知のデフレに備えよ
2月 素晴らしき人々と挑む
1月 2008年 イー・ビーイングWay
スモール イズ ビューティフル
文化創出者

 今月のありがとうで述べたMFA(美術学修士)について、もう少し詳しく述べよう。

 かつて今後の金の卵とされたナレッジワーカーも、先進国ではもう分が悪い。
 あるエコノミストによると、定型業務を担当する会計士・弁護士などは、コンピューターに取って代わられるだろうとしている。
 インターネットの発達と、中国、インドを中心とする発展途上国の追い上げが厳しいからだ。

 先進国の競争要因が大きく変わってきている。
 例えばアメリカでは、この10年間でグラフィックデザイナーは10倍にもなっているし、作家は30%増えている。また作曲家や演奏活動家は50%増えている。
 イギリスにおいても、ユニリーバ英国本社では、画家、詩人、漫画家を雇用している。ロンドン北部のサッカーチームは、チーム専属の詩人さえ採用しているのである。
 サッカーチームに詩人。これ分かる気がする。

 それでは、次の文章を読んでください。この会社分かりますか?

『我々が手がけるのは、アート・ビジネスです。芸術であり、エンターテイメントであり、動く芸術なのです』

 分かりましたか。
 答えはGMです。あの世界一(or二)の自動車メーカーです。その会社の副会長、ロバート・A・ルッツが言っているんです。それも若者というにはお年を召した、元海兵隊、70代の男の言葉です。
 いかに世の中が、人の考え方が、変わってきているかが分かる。

 こうした右脳能力は、SAT(Scholastic Assessment Test)大学進学適性試験ではかるより、イエール大学の心理学教授ロバート・スタンバーグが開発しているレインボウ・プロジェクトの方が面白いだろう。
 これは漫画の吹き出しを空白にして、自由に書き込ませたり、タイトルだけを与え物語を書かせたり等するものがある。
 実験段階であるが、レインボウ・プロジェクトの方が大学入学後、SATの2倍の成果を納めているそうだ。

 これらの能力をつける為には、次の6つの力が必要である。

 (1)デザイン力  (2)物語り力  (3)全体の調和力
 (4)共感力 (5)遊び力 (6)生きがい精神性力

 誰ですか、(5)番だけがあるっていう人は……

 では、遊びについてパット・ケインに語って貰おう。
「21世紀における遊びは、産業革命以来続いてきた産業社会における「労働」と同じ意味を持つであろう。知り、行動し、価値を作り出すための中心手段である」
 どうだろう?こんな風に遊べているだろうか?

 かくかように、右脳力がビジネスにおいて、社会において、大変重要視される時代になっている。
 これらの能力を駆使して成果を納める人を、『文化創出者』としたのである。

 この一文を目にされている皆さんも、それぞれが文化創出者として活躍されることを期待し、今月の挨拶と致します。


理事長  井上 健雄
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