今月の言葉
2008年バックナンバー
12月 一日の華を摘め
11月 商店街おこし 〜防災市〜
10月 実りの秋の心得
9月 多面的に観る
8月 文化創出者
7月 正しい成果のために
6月 あと一歩の常識
5月 日本の銀行とグラミン銀行
4月 苦労万歳(2)
みんなちがってみんないい
3月 苦労万歳(1)
モノを大事にそして知のデフレに備えよ
2月 素晴らしき人々と挑む
1月 2008年 イー・ビーイングWay
スモール イズ ビューティフル
苦労万歳(1)
〜モノを大事にそして知のデフレに備えよ〜

 世に知識は氾濫しているが、個人レベルでは知のデフレ化を進行させている。
 無尽蔵にあれば、大事にしないし、対価を支払おうともしない。
 例えば空気に対して金を払おうとしない。
 しかしそれが汚れたりすると、空気清浄機などが必要になるし、高濃度の酸素が必要な人はボンベを買う。

 一般的にモノは、無尽蔵から有限への速度を加速させているし、付加価値を付け加えることにより有価性を高め始めている。
 逆に、汚染という制約において、価値劣化による価格急落やスティグマ等に襲われる。
 価値劣化の進む世界では、一方で正常なモノのコストが跳ね上がることを指す。

 一方で知の方はインターネット等の発達で、グルメ探しからノーベル賞ものの研究論文だって簡単に手に入る時代である。
 そして結構な(?)ことに、大学の講義から一般のセミナーに至るまで分かり易さが売りになっている。
 入試にしてもやさしい問題から解くテクニックが合格の近道らしいし、こうしたテクニックに長けた予備校など名物教師は高給を取るらしい。

 このように有限性のものは高めに移行し、知は安くなり、サービスだけが問われ出している。
 しかし私は、こうした傾向には異和感を覚えるし、これでは駄目だと考える。
 なんの苦労もなしに学んで、生きてみても情熱が湧くはずがない。平板な人生じゃないか。


理事長  井上 健雄
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