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正しい成果のために |
山滴り、汗滴る夏。
元気されていますか。半年が経過し、実りの秋の為の頑張りどころです。
その頑張りのパフォーマンスを高めるアドバイスです。
6月のありがとうに、「百聞を基礎に、百見し、百考し、一行する」を教訓としようと書きましたね。
つまり「一行」の為に沢山の知識を手に入れ、その上で見るべきものは観察し、考えを練って行動しましょうと。
そこで今月の挨拶では、もう少し深く考察する為に、三賢者の考え方を紹介します。
一つ |
「愚者は体験に学び、賢者は歴史に学ぶ」(オットー・フォン・ビスマルク) |
愚者というものは、自分の体験からしか考えられず、大きな流れとか転換期が分からずに、今までの経験から判断をして失敗する。
しかし、賢者は自分の経験だけに捉われずに、広く歴史の事実から現在を考察するので、その実行に偏向が少なく、成功する。
二つ |
「狐はたくさんのことを知っているが、ハリネズミはどでかいことを一つ知っている」(アルキロコス;ギリシアの詩人) |
沢山知っているとバランスの良い答えを導きやすいのだが、どでかいことを知っている(あるいはそう思っている)奴の方が強い主張をし説得力がある。
マスコミに登場する人にはハリネズミ型が多いように思うのは、私だけだろうか。
しかし統計的に予測の精度は、狐人間の方が高いのである。私たちにとって、意見の取捨選択能力が重要なのである。
三つ |
「ベイズの定理は、事前確率をもとに、一つか二つの例にもとづいて未来の出来事を予測するものである。わずかのデータから思い切った推測を行うもの。このわずかこそがミソである」(トマス・ベイズ;18世紀イギリスの牧師)
※事前確率(ベースレート) |
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「地球温暖化が進んでいるか」という質問に対して、ある程度一致した客観的データとして「Yesが90%、Noが10%」という数値があれば、それをベースレートと呼ぶ。
このベースレートをもとに、大西洋のハリケーンの発生数は30個を超えるとか、30個未満と予測するようなことをベイズ分析という。 |
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この三賢者の教訓と「一行の前に百考をしたか 一考の前に百見をしたか 一見の前に百聞があるか」を統合して、正しい判断というものを書き出してみよう。
1. |
リンチピン(荷車の車輪の両端に打ち込むクサビ)が何かを見つけることにある。これがないと車輪が成り立たない、判断の前提としている考え方を再確認する。つまり、本当のリンチピンと仮説を峻別することにある。 |
2. |
直感を大事にする。 −百聞・百見・歴史などを理解し、考察した上で− |
3. |
直感のバイアスをベイズの定理等で加減する |
こうして記述すると、大変な時間を使うように見えるが、そうでもない。例えば、将棋の名人など瞬時に数10手から数100手まで読んでしまうのだから。
つまり、時間をかけずスピーディーにこの流れを実現できるのが、プロフェショナルなのである。
さぁ、プロの真髄を見せてください。
『正しい判断は、正しい行動を産み出し、正しい成果を創る』を今月の挨拶としたい。
(注) |
この挨拶は、今月のありがとう「一つの行動のために」と併せてご賞味ください。それぞれ単品では、意を尽せてないのです。文章力の不足を反省しつつ… |
理事長 井上 健雄 |
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