地方自立分散型社会へのコンセプト 【4月】
2021/4/7(水)
先月の挨拶でドバイの「砂の浪費」の凄さに驚かれていた方も多いと思う。
世界の砂は、無尽蔵に見えて本当は枯渇しつつある資源であることが良く分かる。
世界中の砂の総量は、1ゼタバイトといわれる。2の70乗である。
しかし、もっと恐ろしいのは情報の量である。
2020年私たちの情報総量は、44ゼタバイトと推定されている。
世界中の砂総量の44倍もの情報があふれ流れているということである。
こんな状況で人は、本当に必要な情報に巡り合うことができるのだろうか?
そしてその情報も真実からニセ情報までが同じような顔をして流れている。人が勝つには英智しかない。
イヤイヤ、棋士とAIとが勝負してもアルファ碁が勝っている。
あの羽生さんが言っていたが、人が一生かかって勝負したり、学んだり、研究したりする棋譜の数は、10万回位が限界らしい。
しかしアルファ碁なら3,000万回の棋譜を学び覚えており、もう生身の人間では勝負にならない領域に達しているという。
モノには限界があるが、情報には限界がないのだろうか。量子コンピュータも稼働し始めているし・・・
しかし、AIだっていい情報を手に入れない限りいい答えは出せない。
未来を予測するとしても量的なものはある程度、大丈夫だろうけど、定性的なものはどうかなぁ・・・と思っても、AIも、絵を描くらしいし・・・
しかし、たかが人間が創るものだし、いまの人間の能力では細胞の一つも作れないし、蚊の一つだって作れやしない。これが偉大なる自然というものである。
人間が都市に住み脳で考える社会は、AIに負けるとしても、自然一杯の地方の生活、農業、林業、水産業の営みまで考えると、まだ自然が優位にある。
自然との共生の中で人は育ち、「落花悲しからず、泥土となりて次代を育てる」のように人々に夢や希望の種を残すべきなのである。
これが都市脳化社会から地方自立分散型社会へ転換のコンセプトである。
理事長 井上健雄