コロナウィルスとの戦い(Ⅰ)~悠久の流れの中で【3月】

2020/5/4(月)

人類は、COVID-19との戦いに勝てるだろうか?

白衣と手袋をつけたヒーローたち、そしてエッセンシャルワーカーの皆様に心からの感謝を送ります。

マスコミでは、医学界の重鎮、大学教授、政治リーダーなどのメッセージや、スポーツ界等々のカリスマたちの音楽やコロナ対策への自己宣言、お家でできる体操など、いろいろな動きが出ている。

やはり、日本は捨てたもんじゃないなぁと肝銘の日々を過ごしている。

冒頭に投げかけた問いに触れよう。

ほんの少し前の「20万年前」にアフリカに誕生した人類と、微生物(※1)は「40億年」生き抜いてきた強者との勝負である。

この微生物の中でもインフルエンザウィルスは、HIV(※2)と同じくRNA(※3)ウィルスに属し、哺乳類が100万年かかる進化を1年でやってのけるらしい。

つまり、絶えず変種を作り出しているので、ワクチンを作ってもうまく完成したころには姿を変えて効かなくなることもある。

今回のCOVID-19は途轍もない強敵である。

論点を少し変えて、この強敵が経済面に与えるインパクトはどんなレベルにあるのだろうか。

米国の著名投資レイ・ダリオ氏が語っている。(資産規模17兆円)

「私はリーマンショックの際にもプラスで乗り切った。リーマン後からAIの専門家を招き、人工知能を駆使して好成績を収めてきた。しかし、このコロナショックでは、年初来21%ダウンとなってしまった。当方のAIによると、このコロナショックは統計学的に1,600億年程度に一度の発生確率だ・・・」

地球46億年の歴史の中で、こんな数値がでるのもちょっと馬鹿げていますよね。

私には、経済系に特化したAIの限界のように思います。

同じAIでも、米国の医療系企業メタバイオのベン・オッペンハイム氏は、同社のAIがパンデミックの兆候を2020年1月上旬に予見したとしています。

WHOがパンデミックを発令したのは、2カ月遅れの3月11日です。

オッペンハイム氏は、この情報を関係する複数の国・企業・人々に伝え、警告を出しています。

先の、レイ・ダリオ氏は、AIに耳を傾け大失敗し、オッペンハイム氏の方は、AIに耳を貸す人がなく大惨事が広がってしまったことを後悔している。

結局、AIというよりも情報の集め方・読み方・分析にもっと叡智であったり、人間力が必要であり、その結果として世界中の叡智を集めた挑戦と行動が求められている。

 

 

※の注について、読んでもらわなくても話は通じるはずです。飛ばしてもらって結構です。

※1 微生物は、ウィルス10nm~100nm<細菌1μm<真菌・原虫などを指す。

例えば、インフルエンザウィルスは直径0.1μm

n(ナノ)10憶分の1を表す単位

μ(マイクロ)100万分の1を表す単位

※2 HIV(Human Immunodeficiency Virus)

※3 RNA(ribonucleic acid)リボ核酸 アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、ウラ

シル(U)の4種で構成されている。この4番目のウラシルが変異の元となっているらしい。

参考:DNA(deoxyribonucleic acid)デオキシリボ核酸 アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チシン(T) の4種で構成されている。

理事長 井上健雄

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