今こそ「赤の女王伝説」をもう一度【令和元年5月】
2019/5/15(水)
ルイス・キャロルの小説「鏡の国のアリス」(1871年発表)に「赤の女王」仮説なるものがある。
その中に、It takes all the running you can do, to keep in the same place.という言葉が語られている。
(訳)出来る限りの全力で走り続けて、やっと同じ場所に居られるんですよ…
この本を読んだ時、不思議な感じがした。
走れば違う局面に至る筈なのにと…
しかしよくよく考えてみれば当たり前のことだと分ります。
グローバル化の進展により、企業の外側の世界が、どんどん早く激変をしているからです。
例えば、平成の20年間位はほぼゼロ成長の時代であった。
良い企業は、年々3~5%成長くらいはしている。
業績の悪い企業は倒産したり、売上の半減や数十分の一に下げ、利益の方は赤字続き…
結局、世の中の成績のいい企業は3%成長しても、悪いグループで-2~3%ダウンしている。
ならしてしまえばゼロ成長となっている。
同じところ(売り上げや利益)に立つだけでも、必至の頑張りがあって、維持できるという訳なんですよね。
日本もかつて高度経済成長の時があり、毎年給料や業績が3割アップの時代もあった。
猫も杓子も潤った時代もあったのです。
これは人口がふえ続ける人口ボーナスの時代にあったのです。
現在は総人口が減り続ける、人口オーナスの時代に入っている。
人口オーナスの時代、平均寿命が上がれば、出生率が下がるのは人口問題のセオリーである。
ここで日本と欧州の人口予測を世界銀行に国連データから村上芽氏(日本総研)のデータで見てみる。
2017 | 2100 | 減少率 | |
日本
欧州 |
1.2億人
7.4億人 |
8,450万人
6.5億人 |
-33%
-12% |
こうした時代は、同じ成績を保とうとしても今までの5~10倍の早さで走らねばならない。
その早さに、乗れないのなら、新しいステージを創造することが求められている。
この早さを方向を間違えず、走り切る体力、智力、徳力を磨かねばなりません。
私達は、この体力、智力、徳力を協働するサステナウェブとのネットワーキングをテコに、赤の女王仮説を克服しようと考えます。
さぁ ご一緒しませんか!
理事長 井上 健雄