うつりかわり【4月】
2018/3/30(金)
年年歳歳花相似
歳歳年年人不同 劉希夷
(毎年美しい花は同じように咲くが、この花を見る人は毎年変わっている…)
かつて、「紅顔の美少年」を誇りとした私も、いつの間にか「白髪厚顔のクソジジイ」になりました。
美しく表現すれば、
花の色は 移りにけりな いたずらに
わが身世にふる 眺めせしまに 小野小町
となるでしょう。
時の身体への変化は美しくなくとも、こころへの変化は深く、それでいて淡い成熟を伴ってくれます。
懊悩を超えた先に澄明で清快にあらわれる心根をもたらしてくれます。
世の中はいつも、様々で、様々な変化が起きています。
例えば、音楽教育の移り変わりを見ても、2002年に和楽器が中学校の必修となっています。
グローバル化が進めば進むほど、ローカリティ(地域)が一層見直されるということだろう。
また2017年、小・中学校の学習指導要領に「協働」が新たな学年目標として示された。
かつては、合唱でもみんな同じ気持ちで同じ方向を向いて歌おうという、心を合わせるという協同でした。
しかしこれからは、お互いに自分が感じたこと、考えたことを伝えあって、歌唱表現を高めていこうという風になっています。
昭和の私の時代は、協同で同じように歌おうでした。
それが厭で、合唱は好きではありませんでした。
今の協働なら、破調を覚悟で得意気に歌うでしょう。
つまり今後は、個を持った人々による創造をチームレベルで仕上げていく協働が求められている。
さぁ私たちも、しっかりとした個性を磨きあげるとともに、新しいことを切りひらく創造性を高め、それらをチームとしての協働で新しい時代に立ち向おうではありませんか。Wao!
理事長 井上 健雄