「氷」【7月】

2017/7/18(火)

 暑い。とけそう~~~……。
 「温暖化の酷暑ここに至れり」と思う。

 日本には、もっとしっかりした四季がありました。

春一番 木々は根を緊め おのれ鳴らす(憲吉)
夏立つや 衣桁にかはる 風の色(也有)
目に青葉 山ほととぎす 初鰹(素堂)
秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ 驚かれぬる(藤原敏行朝臣)
こがらしや 広野にどうと 吹き起こる(蕪村)

 こうした四季はあるにはあるのですが、四季なので3ヵ月ごとの交代と思っておりました。
 今や、夏のシェアが、50%になるかの勢いです。
 人々の心待ちする春・秋が、短くて残念です。
 かつての一年に比べ、損している気がします。
 慰めは暖冬化により冬が、過しやすくなっていることでしょうか。
 雪月花の雪に乏しい関西では、雪を愛でる風流は、北の国まで足を伸ばさねばなりません。
 子どもの頃、私たちの身の回りにあった四季は、何処へ行ったのでしょう。

 夏に文句を言っても始まりません。
 そこで、「氷」で頭も体も冷やしましょう。
 この氷、19世紀初め頃には、ニューイングランド州の寒い寒い所の凍った湖や池から氷を切り出して、切り出し氷が良く売れて、寒い地方が栄えました。
 これがアイス1.0の世界です。
 そして次は製氷屋さんが、シーズンに関係なく水を凍らせて氷を作り、トラックで運び売りました。
 アイス2.0の世界です。
 次に電気冷蔵庫の登場です。各家庭で氷がつくれるようになりました。
 アイス3.0の世界です。

 この氷の歴史を見ていると、ぞ~っと寒くなりません。
 アイス1.0で栄えた人は、アイス2.0の世界では成功しておりません。
 アイス2.0の世界で儲けた人が、電気冷蔵庫を開発した訳ではありません。
 「氷」を売るとしても、新しい時代にどのようにしてその氷を提供するかなんです。
 商売繁盛を極めている時に、次のアイスに向けてスタートしているかなんでしょう。
 皆さまも今の仕事の次の仕事を考えていますか。
 いつも私たちは、新しい時代の曲り角の手前にいるということを忘れてはなりません。

(注)下線について、8月の挨拶をご覧ください。

理事長  井上 健雄

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