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あと一歩の常識 |
ある弁護士事務所の代表の方との会話。
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電話で「××で相談したいので伺いたい」と言われたかと思えば、アタフタとその足ですぐ事務所の戸を叩かれることがあります。
そうした時、指名した弁護士の対応により、依頼率は大きく変わるんですよ。
離婚訴訟、遺産相続、不動産トラブル等々、千差万別ですが。
しかしこの時、こう表現できるかがポイントだとおっしゃいました。
「私は○○です。本日は大変暑いですね。上着などお脱ぎになって、ゆっくりして下さい。コーヒーか紅茶はいかがですか」
(問い) |
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「私は××で訴えられそうで…」 |
(答え) |
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(T) |
それは法律問題として、三つの問題が絡んでおります。分かりやすく言えば、一つは… |
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(U) |
もし訴訟ということになれば、二つの論点から戦術を組み立てて… |
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(V) |
もしご依頼戴くなら、相手方の弁護士と事前交渉する方法もあると思いますが… |
このように、まず相手に落ち着いて貰いながら、問題を整理し提案することで、安心され依頼も戴けます。
私共は法律事務所ですから、法律に詳しいのは当たり前ですが、その基幹の知識を生かす前に、人間力、そして筋道を立てる論理能力が必要なんです。
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まとめてみれば、人間の心得+論理能力+職業的技術 この総和が職業の智慧となる、というものでした。
つまり、求められる能力は、先の例で申しますと弁護士資格という職業的技術となりますが、活躍できる人材は、人間の心得と論理能力の二つの能力を持っているということを必須としています。
私たちは、論理能力と職業的技術は身につけてきていると思います。
しかし、人間の心得として相手・お客様のことを思う気遣いや行動において、十分実行されているかを見直すことも必要です。その上で、問題を整理し、お客様にご理解戴けるよう、分かりやすく筋道をたてて話す能力が要求されます。
これができて初めて、職業的技術が生きるのです。
当たり前のことですが、人格力をあと一歩の常識ということで書いてみました。
それぞれが職業的知恵をあふれさせ、仕事に取り組み、お客様に喜んで戴きたいと思います。
理事長 井上 健雄 |
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