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一日の華を摘め |
12月は、師走、極月、窮月とも呼称される。私は‘春待月’という言い方が好きだ。
皆さま、08年度は如何でしたか。
人生は苦もあれば楽もあり、本当「禍福糾える縄の如し」で楽しい。
少し気取った表現をすれば、武者小路実篤である。
わが行く道に茨多し
されど生命(いのち)の道は一つ
この外に道なし
この道を行く
いいですね。皆様もこんな道、歩いてますか。
古代ローマの詩人、Q.Hホラティウスはたった一行。
一日の華を摘め
としている。一日一日を精一杯生きて、一日を摘みて華とせよという意味だ。
こうしたシンプルな表現ができる人は、いかなる経験、いかなる運命を甘受したのであろう。
私はその一つとして、‘自己の使命感’の自覚にあるのだと思う。無間地獄の中を一歩一歩前進した人に許された境地かとも思う。
ぶれない軸を持っている人は少ない。しかし誠実に仕事に取り組む人は、徐々に己の軸を形成し、人として一樹の蔭を創造している。
人は一樹の蔭や一筋の川となるべきである。こうした人々により組み上げられた織物が、真の組織なのである。
そうした人でなければ、仲間とは言わない。厳しい現実の中においても、庇保したい人であってこそ仲間なのだ。
素晴らしい仲間たちよ、これからも一日の花を摘もうではないか。
これを新年へのはなむけの詞(ことば)としたい。
理事長 井上 健雄 |
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