経路依存を見直す
2016/9/23(金)
仰(の)っけからで恐縮ですが、質問です。
(状況) | まずあなたは絵画ファンで、絵の価値について一家言を持っています。 それなりに裕福です。 数年前、一つの絵を200万円で買い、最近の芸術マーケットが良いのか、400万円になっているのを発見しました。 |
(質問) | あなたが今この絵を持っていないとしたら、さて400万円出してこの絵を買いますか? |
客観的な正解はありません。
Yes、Noどちらをお応えになっても結構です。
解答 □Yes □No さてどうでしょう。
Noだとしたら、あなたは、今の絵を持ち続ける意味がありません。あなたは自分のポジションと結婚してしまっているのです。
Yesなら、あなたは経路依存性に引きずられずに、合理的な意思決定ができる人です。
経路依存とは、過去のアイデアや信念に影響され、新しい現在を正確に捉えきれない状態を言います。
経路依存、これはこれで大事なことですが、一方で時代や周りの変化についていけてないことを表すことにもなります。
いつもいつも合理的な意思決定できる人は、扁桃体に異常があって、愛着という概念が損なわれているのかも知れませんが…
この絵画と同様に、仕事もそういう所があります。
怠け者たちに囲まれて仕事をしてきた人が、知恵ある働き者の集団に入って見ると、自分が単なる凡人でしかなかったり、お荷物かなぁとがっかりしたりします。
つまり経路依存に陥りやすい人は、新しい世界では使えない人になります。
新しい場所で新しい仕事をしっかり遂行できる努力を払うことが出来る、これが使える人の条件です。
私たちも経路依存に陥っていないかしっかり考えるべきです。
その指標は、前年を超えるパフォーマンスを残せているかにあります。
いつも新鮮な目で、新しい絵画、新常態に対峙しようではありませんか。
理事長 井上 健雄