地域おこしを6次産業化で(4)
2015/11/1(日)
価値あり競争力のある商品づくり
- 10あるイノベーションの一を紹介します -
- 6化研資料一部転載 -
6化研では、6次産業化を成功させる為には、10のイノベーションが必要だと提案しています。
今回は、イノベーションの1番目であるプロダクト・イノベーションを紹介します。
価値あり競争力のある商品づくりとは、ある意味で今までの商品づくりを否定するものである。(勿論、何十年も同一商品でトップを走り続けている企業は別である…)
イノベーション(革新)は現状否定をスタートとする。
ヨーゼフ・シュンペーターのイノベーション5つの定義を嚆矢(こうし)とする。
イノベーションとは | 6化研メモ |
1.新しい財貨の生産 | (今まで世の中になかったものを創りだす) |
2.新しい生産方法の導入 | (新しいやり方で劇的に生産力を高めるとか、安全衛生基準を大幅クリアするとか…) |
3.新しい販売先の開拓 | (日本国内だけから海外とか…) |
4.原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得 | (各現場製造からカミサリーに移行とか、原料から最終商品までの協働プログラム作成など…) |
5.新しい組織の実現 | (独占の形成やその打破、6次産業化により異なった産業との連携を創造する、フランチャイズシステム創造等) |
今回のレポートのタイトル『価値あり競争力のある商品づくり』とは、1の新しい財貨の生産と思われるかも知れないが、私はこの5つの定義のどれもが当てはまるものであるなら、それが最高のイノベーションであると考える。
つまりプロダクト・イノベーションとは、全く新しいプロダクトを開発するだけでなく、価値を加えるアップデートや、ラインの拡大なども重要である。
また、パフォーマンスを簡素化したり、環境感度を向上させたり、顧客一人ひとりに合わせたカスタマイズもイノベーションの一種である。
そして私たちの提案する6次産業化は、次の3つの視点も大事にしている。
- 地域創生をベースに置く。
- モノづくりの新連携を形成する。
- 生産物の安全・安心とか機能性について、検査による客観的なエビデンスを持った数値や自己宣言を含む概念を重要視するものであり、それについて社会的な仕組みとなった評価枠組み、TPAC認証を受けることを推奨している。
もう少し補足してみる。
- プロダクト・イノベーションとは、今後地域の特色ある産物(着目されていないものも含む)を中心に展開されること。
- 他産業や多くの企業群、そして地域の人々との新連携を形成すること。
- 各所で同様の取組みがなされることも増える。従ってその生産物がレッドオーシャン※1化することもある。そこで、その生産物の価値・機能性の検査を受け、その内容の客観的評価を受けることで、ブルーオーシャン※2の世界に入ることを提案するものである。
3つの企業のプロダクト・イノベーションを紹介し、参考に供したい。
例えば、ダイソンならデュアル・サイクロン技術で世界を席捲しつつある。その背景には、市場に出すまで15年、5,000以上の試作品を作っているのだ。
OXOグッドグリップスは、その名前どおり手の不自由な人、握力の衰えた人にも握りやすい使いやすいもの、ヤカンや計量カップ等々を作っている。ユーザーフレンドリーを表明し、価格の高い商品ではあるが、市場の評価を得ている。
P&Gのパンパースは、布のおむつより紙のパンパースの方が早く眠りに入り、長い間眠れるという調査結果を出して、シェア拡大に成功している。
サァ!私たちもこうした各企業の取り組みを参考に、プロダクト・イノベーションに挑戦しようじゃありませんか!
青い海、ブルーオーシャンを目指しましょう。
※1 レッドオーシャン : | 競争の激しい既存市場 血で血を洗う競争市場で儲けが出ない市場 |
※2 ブルーオーシャン: | 競争相手のいない、競争のない未開拓の市場 |
理事長 井上 健雄