2007年10月の言葉
 ダイバーシティとしてのE-Being 
 最近ふと思うのですが「人間」って大きいと思いません?
 普段目にする動物でこんな大きなものっていませんよね。そりゃ象さん、キリンさん、白熊さんって大きい動物がいますが、日本に○○頭って感じでしょう?
 人間さんは、日本に1億2772万人(世界人口;66億3351万人)。やっぱり異常ですよ。
 人でも巨漢からちっちゃな人までいますが、そんな問題でなく大きいんですよ。

 人間を作っている要素を小さいものから並べると、陽子・中性子・電子…→水素・炭素・酸素…→水・炭水化物・アミノ酸…→核・ミトコンドリア・ゴルジ体…→骨・肉・皮…等の60兆個の細胞で一人の人間ができています。
 原子1個の大きさは1〜2オングストロームなんです。オングストロームとは1mの100億分1ですからめちゃ小さいんです。

 この原子ってのは絶えずまったく無秩序な熱運動に動かされているんです。ゆくえの分からないブラウン運動のように。
 しかしこの無秩序では、生命体がシステムとして成り立たないでしょう。
 そこで膨大な数の原子に平均的なふるまいをさせようとすると、異常値を小さくするルートnの法則があります。平均から離れて行動するものは、平方根の法則に支配されているということです。

 これは例えば100個の原子で例外的に動くのは√100=10コです。つまり誤差率10%となります。
 しかし、 100万個なら√10,00,000=1,000コで、0.1%
10億個なら31622コで、0.0031%になります。
 これらの数万倍のオーダーの原子総量が人間ですから、例外を無視できる訳ですよ。こうしたことをシュレーディンガーの指摘というらしいんです。
 頭がこんがらがっていませんか?

 こうした大きさを持って初めて人間は、生命という動的な秩序を自己複製するシステムを造りあげたのだと思います。
 そうなるとちっちゃな昆虫などあの大きさでヒラヒラ飛んだり、子孫を残す仕組みなど考えると畏敬を感じずにはおられません。

 さてそこでなんです。
 生命って、人間って例外を抑え込んだ平均化が答えなんだと思います。企業も。
 とは言え、平均化でうまく回ったのは平時の時代なんです。
 日本をとればバブルがこわれるまでの高度成長時代は、平均が成功したんだと思います。昨日の続きが今日で、今日の続きが明日であった時代には…

 しかし今はそんな時代ではありません。
 IPCCの警告を待つまでもない地球気候異常や先進国の少子高齢化など全く違う世界が出現しているのです。
 そうすると、地球人は今までと違った取り組みをすることが正解になります。
 しかしこれって意外と困難なんですよ。
 そうすると現集団のあり様と異なった新集団が活躍することが必要になります。
 だからダイバーシティ(多様性)が必要になるんです。

 私たちの集団についてルートnの法則をあてはめると、とんでもない平均化しない仲間ばかりだと思いませんか?
 男女比率だって、女性が60%(来年は、67%になる予定だし…)。年齢だって、20代から10年毎に1人づつのバラツキ。学部だって、法、理・文融合、教育、史学、美学…

 私たちにとって共通性は、アスナロ(ASUNARO)の精神性と、地球環境問題と福祉問題の関心が深いことだけです。

 A  Aggressive Vision  −挑戦的な夢−
 S  Super Structure  −総合的な新構造−
 U  Ultra Execution  −超実行−
 N  Nice Leadership  −魂を揺さぶる感応力−
 A  Attitude toward Learning  −学び続ける姿勢−
 R  Respect for Stakeholders  −すべての利害関係者への尊敬−
 O  Open-minded  −受け入れる心−

 私たちそれぞれが得意なリソースをベースに生かしつつ、問題のソリューションを創造すれば社会的解になる筈です。
 ちょっとバラツキが解だと言えるなんて少し得意になりません。
 その割には、一緒に遊びに行ったり、食べたり、愉快なダイバーシティでもありますね。
NPO法人 イー・ビーイング
理事長 井上健雄