2007年8月の言葉
 サムシングニュー 
千人が手を欄干や橋涼み   其角
このあたり目に見ゆるものみな涼し   芭蕉

 いつも暑いあつい毎日には、句吟による納涼も粋でしょう。

 さて、暑いと言えば熱い戦いが行われた参院選を今月の材料としましょう。
 『因果応報』程恐ろしい諺はそうありません。これは過去における善悪の業に対して、現在の幸・不幸の果報が生じることを言います。
 一方これによく似てもっとポジティブな諺があります。
 『蒔かぬ種は生えぬ』です。今から打つ手、やる事が幸・不幸の果報で返ってくることを指します。勿論、下手な種なら『身から出た錆』にもなりますが。

 参院選を政権から、因果応報で振りかえってみましょう。
 まず応報は、自民党惨敗・将来の禍根、野党の大躍進です。
 その因果の1は、小泉政権がぶっ壊した派閥や地方地盤の崩壊、また導入した競争至上主義による格差顕在化などになりましょう。
 因果の2、年金問題や閣僚の事務所経費や不適切発言などです。
 因果の3、「私(安倍政権)か小沢さんかの選択を求める」と言った安倍氏の不用意な政権選択の言葉が、次の衆議院選挙に重く暗い影を落とすことになりました。この選挙で自民党への不信任は明らかになったからです。

 そうすると、もう今後政権にリカバリーショットはないのか、と言うとそうでもない。
 その時の格言として『蒔かぬ種は生えぬ』がある。
 今後に向けて国民の大局的な価値観に根ざした施策の一つ一つをしっかりと着実な実行に移すことである。それらを将来をふまえた法律行為に止揚するなど、実行力とアカウンタビリティを持ち透明性を高めることである。
 その一つひとつが、根となり幹となり枝となり、人気を回復することになるのである。

 蒔いた種は、実るのである。何と楽天的で勇気づけられる言葉ではないか。何をどう蒔くか、そして水やり、除草、枝打ちなど地道な手を打つことが成果を齎すのである。
 そうだ!私たちも良い種を蒔こうではないか。
 私たちの良い種とは、クライアントのニーズと私たちの智的なリソースとをアフィリエート(連携)させるものでなければならない。
 その為に一つひとつ仕事に深く入りSomething Newを提供できること。これこそが私たちの存在理由である。
NPO法人 イー・ビーイング
理事長 井上健雄