2007年7月の言葉
 ライジングスター 
 ブラウン首相のもとで新外相にミリバンド環境相が就任した。41歳の若手、次期首相候補として呼び声の高いライジングスターの誕生である。
 彼が頭角を現わしたのは、1997年の総選挙のマニフェストづくりである。これで実績をあげ、ブレア政権の時に政策顧問になり、2001年に初当選をしている。

 ミリバンドのように、いまEUの欧州委員会を取り仕切るのは、通商出身者でなく環境出身者が占めている。ドイツのメルケル氏も環境相であったし、サルコジ政権の副首相格のボルロー氏も環境相へ昇格している。
 これらはEUにおいて地球温暖化防止がますます重要になり、その責任者を高く評価していることにある。結果、EUは温暖化防止のフロントランナーとして成長し、自信を深めている。
 これが経済的にも効果をもちだしている。win-winの実現である。

 これらのことを考えていくと、、冷戦後の世界が「米国化」に向かったのではなく、「多極化」であったことが分かる。この変化の意味を別の言葉で表現すれば、ハードパワーからソフトパワーに力の中心が変わってきているのである。
 いまや世界は、地球温暖化から会計基準、競争政策まで、ブリッセルが中心になりつつある。

 こう考えると、私たちがライジングスターになる可能性の道筋が見えるというものだ。
 21世紀の地球市民の抱える課題は、環境問題と高齢者問題である。われらE-Beingの方針は、持続可能な福祉社会の実現である。
 つまりいい仕事をすればライジングスターになれるのである。

 ここで、ライジングスターの課題の一つである温暖化についてのスターン博士の言葉を紹介する。

 There is still time to avoid the worst impacts of climate change, if we take strong action now.
=スターンレビュー=

 もう現世代に許された時間はないのである。彼によると、今ならGDPの1%で対策として成果をあげるだろうが、遅れると5〜20%のGDPを必要としている。

 さぁ、始めようではないか。
 最悪のインパクトを避けるために。お得意先の企業をライジングスターにする為に。
 今月もよろしくお願い致します。
NPO法人 イー・ビーイング
理事長 井上健雄