2007年5月の言葉
 混迷の時こそ遠くの星を見て 
世の中にたえて桜のなかりせば春のこころはのどけからまし

 この4月から滋賀県立大学で環境監査総論の講座をもったものですから。
 1回目(4/17)は、大学内の桜は満開で、まるでメルヘンの世界でした。それが4/24には葉桜で、本当に三日見ぬ間の桜でした。

 もう5月です。しかしこんな句もありますね。

わがやどのかきねや春をへだつらん夏きにけりとみゆる卯の花

 桜の花が終われば、卯の花、つつじ、藤の花と……
 本当に日本って、自然っていいですね。

 そこで人生の時間を考えました。
 人生というものは、いろいろな出来事の詰まった「濃密な時」と、ゆったりとした「のたりのたりかな」との繰り返しで成り立っていると思っていました。
 しかし最近は、なかなかのたりがありません。

 でもこうした生活スタイルを変えようとは思いません。控え目に生きるつもりもありません。
 ギアはトップに入れて走ろうと思っています。毎日の生を濃密な時間で創りあげていく。これが人生の意義、人生の価値のはずです。

 そこで今、私たちが濃密な生を創り、世にソリューションを提案する仕事の為に、重要だと思っている、拠(よりどころ)としている真理を紹介します。

一、循環の法則を大事にする。
循環システムを提言し、それをうまく運用する。ワンウェイの生産体制は行き詰ります。こんな公式もありましたね。I=(P×A×T1)/(T2×H)
日々の生活をサステナブルに構成していく責任を一人ひとりが自覚し、行動すべきだと思います。今年はこの静脈産業の育成に力を注ぎます。
 
二、ダイバーシティ。
多様化。仕事も人も。動物、昆虫、植物、バクテリア。何事も。地球システムは多様性の中で成り立っているのだから。これを仕事の進め方の中にも入れていきたいと考えています。私がかねてより主張している点線組織も、既成秩序を破るダイバーシティだと考えています。私たちの内部統制第三者評価は、このカテゴリーに入るものです。
 
三、分散化。
一か所への集中化は避ける。エコロジカルフットプリントを考えてみても、フードマイレージを観ても、そうあるべきです。但し、これはグローバル下の話で、ローカルのもとではソフト集権・マインドシェア向上こそがソリューションかなと考えます。

 この真理に輝きを与えることができるなら、私たちの仕事は正に向けて走っていることになります。そこに社会貢献もある筈です。

 私たちには希望があります。
 希望は、世の中の変化に生まれるものではなく、私たちの心の変化の中に創成されるものですから。
 この希望の一つひとつを形に変えて、世の中に提供できればと考えています。

追:  先月は恒例になったイー・ビーイング『灌々会』を開催致しました。25人もの方々に参加戴き、励ましとご指導を戴きました。
 篤情にあふれる素晴らしい人々との出会いと、その人脈の中で仕事をさせて戴いている喜びを、改めて感じました。
 感謝で一杯です。ありがとうございました。
NPO法人 イー・ビーイング
理事長 井上健雄