2006年7月の言葉
 人生さまざま 
 ミシガン大学の政治科学者ロナルド・イングルハートは、現代人の生活スタイルを分析し、それぞれが自分の生き方を求め旅する時代に入ったとしている。
 そこで、三つの人生を紹介しよう。
1. 「愉快な人生」というものがある。
 おいしい物を食べて、いろいろ旅行して、音楽や映画、痛飲を楽しむ……
 この愉しみは、しばしば訪れるお客のようなものであるが、愉しみのあとにいつもまとわりついて残るものは苦しみということがよくある。
 人により、宴のあとの寂寥(せきりょう)感がいいと言う人もいるが、誰もがダダイズムの芸術家じゃないんだから……
2. 「良い人生」というものもある。
 これは自分の得意とするところの能力を発揮する仕事をしている状態をいう。
 長い労苦と忍耐と研鑽のあとで、ポッと心に火が灯るような結果を得る喜びは、人生そうはない。良い仕事、良い人生。いい人生だと思う。
3. 「生き甲斐人生」
 社会の為にとか、他人の為に、……の為にという意義の追求をする生き方である。良い人生に個人版CSRつきと言えるかも知れない。
 自分の意思でありながら、社会の大きな魂に従って行動する人生をいう。なんか凄く贅沢な祝福を受けているという気がする。
 しかし、この生き甲斐追及の仕事の怖い所は、失敗するなんて考えられないと思ってしまうところにあるのですが……
 皆様はこの三つのどれがお気に入りでしょう?

 私にとってこれまでの人生は、愉快で良い人生だったけれど、それはプレリュード(前奏曲)にしか過ぎない。今、分る。
 社会と共に生きる幸福感は、イマジネーションの拡大力で分る。創造の飛翔力が弥増すのである。
 この本番をより良く生き抜くには、理性と感情のバランスがポイントである。

 R.N.ペラーは『心の習慣―アメリカ個人主義のゆくえ』において、価値の究極的な拠り所を個人に置くのではなく、共同体やその伝統の主義を重視すべきであるとしている。

 社会・地球など全体の整合性を考えることを「社会的エコロジー」と呼ぶなら、私たちは、この社会的エコロジーを追及していると言える。

 皆さんもわがNPOの仕事に参加してください。本当!生き甲斐人生ですよ!
 社会の意志を感じながら仕事するって、これ快感ですよ!?
NPO法人 イー・ビーイング
理事長 井上健雄