2006年6月の言葉
 ワールドカップ 
 6月のありがとうで枠組みの話をした。このフォロー編として、世界を熱狂させているワールドカップを材料に、日本サッカー敗北の枠組みを考察する。

1.ジーコのような高い個人能力を有する監督は、選手に任せておけばうまくやるだろうという幻想をもちがちである。日本選手くらいの能力でプロフェッショナルとして遇し自由主義を認めたことは失敗である。
 ⇒ ジーコの選手能力見極め枠組みの失敗。
2.日本で活躍する選手、宮本キャプテンを中心とする国内組は、アジアカップでの勝利から守って勝つ戦術3−5−2に魅かれ過ぎた。
 ⇒ 世界に通用しないアジアでの成功枠組みに固執した失敗。
3.海外組は攻撃を主体に考えたが、守り主体の国内組との意思疎通がうまくできずに中途半端に終わった。
 ⇒ 海外組が世界の中での戦いの枠組みを説得できなかった失敗。

 その他、基礎体力(最後まで走り回れる力、キック力……)や精神力などでも、一部を除き劣っていた。

 そこで、次はオシム氏が下馬評にあがっている。
 私は彼ならこの三つの誤算の枠組みをクリアーするだろうと思う。しかし次のW杯には69歳の彼にどこまで頼れるかは心配である。どこまで行っても最善はないのだからオシム選択を良しとしたい。

 6/25時点での決勝予想は、スポーツメーカーのユニフォームで決めてみた。
 つまりナイキのユニフォームを着用したブラジルとアディダスを選んだドイツの決戦と見るがどうだろう。大穴としてアンブロを着るイングランドだ。勿論これらは余興ではある。

 素人の評価で少し辛口だが、全日本はベスト16までには入るべきだし、そういう期待を担っているのだから、許してほしい。
 しかし、代表たちには心から感謝している。ありがとう。

 4年後もっと興奮できるように、日本のJリーグの更なるレベルアップを希って、筆を置く。
NPO法人 イー・ビーイング
理事長 井上健雄