2005年11月の言葉
 霜月から年満月へ 
 11月の挨拶も書かない中に11月が終ってしまった。

 何故遅れたか。忙しさ?怠惰……これに尽きるのだが、私のイメージからあまりにも離れた気象条件にもその因はある。(勿論言い訳だが)

 11月は、霜月とか霜降月とか呼ばれ、三つの花(霜の別名)も咲かないから気分が乗らないんだとごててしまう。

 11月の色は燃える赤。それを象徴するカエデ科のもみじも、所により12月になってもまだ青かったりする。温暖化現象止まること知らずですね。

 でも、いよいよ師走です。お坊さん(師)も走り回るから、師走と江戸時代にこじつけられたそうですが、本来十二月と書いてしはすと読んだようです。つまり「し」仕事を「はす」果てるが本意らしい。とすると十二月は、抱えている仕事をすっかりやり終えることを要求しているとも言える。

 さぁ読者の皆さんも抱えている仕事は今月中に片をつけてください。自分にプレッシャーをかけて、仕事への投入時間も増やしてください。そしてパフォーマンスをあげてください。

 必要なのは智慧ですが、その前段階は知識を大量に仕入れることです。脳にしまい込んだ膨大な知識の合目的な組み合わせや結合により、智慧に高めることです。

 例えば馬券を買うつもりで馬の薀蓄を書いてみましょう。(とは言え、私は一度もしたことはないのですが)

 日本の三冠馬(牡)は、2005年まで5頭いるに過ぎないし、無敗での達成はシンボリルドルフ(1984)と今年のディープインパクトの2頭しかいない。これは武豊とディープインパクトの組み合わせが大きい。

 加えてディープインパクトと西内荘の出会いも大きい。彼は日本一の装蹄師である。ディープインパクトの薄い蹄5mm(普通は7mm位)を見越して、釘で蹄鉄を止めるのでなく新エクイロックスというパテのようなものでの接着方法で、馬の負担を軽くしている。武によると「空を飛んでいる」感じという乗り心地を実現させている。

 この新エクイロックスを知らないと、破爪の恐れがありエクイロックスをしていると買いでないという判断をする予想屋がいる。つまりこの辺りのパフォーマンスをあげるにも、新知識を持って臨むことが要求されている。馬のハーフバウンドのうまさや交叉襲歩の安定性などはもちろんのこと、それ以外に後ろの10°以外皆見える350°の視野をもち、その広視野対策も考慮に入れたい。ブリンカー(遮眼帯)やシャドーロールにより視野を狭くする方法や、顔へ泥を被ることを防ぐメントを必要とする馬など、その性質やその日の天候との関連も意思決定に必要である。つまり、一般に言われる最近のタイム、出来あがり状況、色艶など以外もこれら多くの変数があることに留意したい。これらの情報を瞬時に判断して買う。大当りである?

 このように、知識+経験=智慧、そしてパフォーマンスと行きたいところです。時間的にこの公式によるソリューションは困難でしょうから、せめて今ある課題を今年中に三つは仕上げてください。そうこうすると、12月の別名年満月と年も満つるけれど、(自己)満足もして初春を迎えることができるというものです。
NPO法人 イー・ビーイング
理事長 井上健雄