2005年2月の言葉

 LOHASクリエーター 

 『世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし』と詠んだ在原業平の優雅さに対し、私の方は同じ花でも花粉症。お花グスグス、赤いお目目のうさぎちゃん。高温とか小雨とかいろいろの気象現象が重なり、杉も子孫の繁栄に躍起だと思うんですが、集中豪雨的に植林された杉が、間伐なども十分行われずに森そのものを壊し始めているのであろう。

 このように人は花粉に苦しみ、森も苦しみ、夏はクマさんだって食べ物がなく里に下りてきて不幸になった。人が最期に寄るべき山や森が痛みだしている。

 すべての生きとし生けるものが共生できる地球であらねばならない。そこで環境問題に、健康の軸を強化したローハス(Lifestyles of Health and Sustainability)を紹介し、その研究会立ち上げ、身近な自分の健康に配慮し、そのことを通じて地球環境を守っていくことの提案をする。

 LOHASとは、Lifestyles of Health and Sustainability の頭文字をとった言葉で、健康と環境を指向するライフスタイルを指す。
 社会学者ポール・レイと心理学者のシェリー・アンダーソンが1986年から15年にわたる15万人以上の調査の結果、「信心深い保守派(Traditional)」と民主主義と科学技術を信奉する「現代主義者(Modern)」に続く第三の集団として新しい文化や生活スタイルを創造していく人達「生活創造者(Cultural Creative)」が存在し、アメリカで5,000万人(全人口の26%、成人の約30%)を占めると発表したことから始まる。

 昔の日本人は、火、土、水、風と共生し、体の五感で命を感じる暮らしをしていた。
 自分と家族が健やかな心身を創る生活、周囲の自然との共生。家族揃った楽しい食事。灯りに照らされた笑顔。帰宅したら、部屋の一角にある草木に思わず手をかける。寝る前にはゆっくりお風呂につかり、体を癒す。本来あるべき暮らし方を一緒に学び、創っていく、それが現在でも息づくLOHASな暮らしだ。

 この生活創造者という人々と共に、地球の健康、人の健康を創りあげたい。アメリカのLOHAS市場は35兆円。日本も10兆円はあると言われている。

 持続可能なエコノミーをベースにこの思想を普及させたい。興味のある方の参加を乞う!

NPO法人 イー・ビーイング
理事長 井上健雄