2004年12月の言葉
 感謝
と新年度に向けて
 師走。この月をスタッフ一同が元気で迎えれらることに感謝致します。皆様にいろいろお世話になり、好意と励ましに支えられたしあわせを身に沁みて実感させて戴いております。ちょっと抹香臭いですが、本音です。
 こんな、小っちゃな私たちを、ほぼ三年経つ今も、希望を抱き展望を持ち歩み続けられていることは、皆様のご芳情のお蔭でございます。
 創業の芽吹きの頃、仏の御心から遣わされてきたような、凄くかわいらしくて気配りと内政に通じたM・Kさん…
 一をいえば百まで理解し、仕事を創造しスピードと正確さに加え優しさに満ちたR・K君…
 そんな素晴らしい人々が基礎を創り、私たちに恵沢を贈ってくれたこと滂沱の…です。
 私たちをそれぞれの有り様を四文字熟語で表現するとしたら、眼高手低、委曲求全、獅子奮迅、才色兼備、斬新奇抜と認(したた)めます。来年はどんな熟語を加えられるでしょうか。
 この年の締め括りとして10月のエコロジー研究会でご報告したパラダイムの転換を再録しておきます。
下の表です。
 左は今までの成功要因だと思われたものが敗退の原因となったもので「崩れ落ちる幻想」として纏めました。
 右が今後考えるべき新パラダイムです。
(詳しくはクォーレなどご参照下さい。)
 旧パラダイムと新パラダイムは、教祖も顔ぶれを変えてきています。
 アルフレッド・マーシャル、マイケル・ボポーターから、ヘンリー・ミンツバーグやシュンペーターという風に。つまり先生を間違えないで下さいということです。
 成長の法則について、例えば大地から作る大豆などは、収穫逓減の法則が効くことになりますが、Webの世界は、収穫逓増の新原則が支配するとしていました。その新成長のニューエコノミー論に狂いが生じてきているということです。
 つまり新しい世界は、非線形であり成長のためにはもう一度原点に戻り実践(ミンツバーグ理論)に重きを置こうとしています。 そして、その実践の前段階の仮説とその後の検証というサイクルを回し経験知を磨き続けることが成長の原動力になると言うことです。このあたりの成功企業としてオーストラリアのボトリングメーカーCCA(コカ・コーラ・アマティル)やビジネス・リフォームの得意なトヨタ、見る・観る・診るで有名なシャープの取り組みを報告しました。
 また、閉鎖系から開放系へ流れの結果としての新しい関係性が創造的ソリューションを産み出すと申し上げました。
 今流行りの産学官民などもこの傾向から出てきたものですが、ファシリテーター不足のために十分機能していない現状についても言及しました。
 最後にストック・プライス中心主義は、エンロンやアンダーセンばかりでなく、最近ではコクドと西武鉄道のような倫理的崩壊を生み出しています。
 現在の市場評価ばかりに気を捕らえられるだけでなく重要なことは、志や思いから新しい価値を創り上げる非平衡への取り組みの必要性を提案しました。
 「この三つの新パラダイムの協創で確固たる豊かな未来を構築しましょう」と言うことです。

 本年もいろいろ保(ほ)庇(ひ)くださりありがとうございます。
 来年も一層のご指導とご鞭撻戴きます様に、私たちは徳(とっ)慧(けい)を積み重ね懸命に生きてみるつもりです。宜しく御願い致します。

NPO法人 イー・ビーイング
理事長 井上健雄