2004年9月の言葉
 アテネ雑感 
 オリンピックについて何も触れないのかというご注文も頂戴したので大分、遅れではあるが一文を掲載させて戴く。
金メダルは世界ベスト5。米、中、露、豪が前にいるに過ぎない。
あとは、独、仏、伊、韓、英が続くのだ。日本の国力・体力が評価された大会であった。
しかし、お家芸の柔道で集中豪雨的に5割の金という偏りがあった。偏りという意味では、女性の活躍が目立った (女性:男子=60強:40弱) ことでも特筆に値するであろう。私は、平治の男子、乱世の女性と見た。
 底力は、女性の方に軍配をあげる。企業も同様だと考えるので、もっともっと女性シフトで、勝者を目指すべきであろう。
 これ以外の注目は、男子体操の金が光る。
 凋落日本の体操に明るい話題である。聞くところによると「基本の繰り返し」が成功のポイントであったらしい。また全般的に今回の躍進には「勝つ」というキーワードが復活したことにもある。
 ここ最近、チャラチャラとして「楽しむ」という言葉が闊歩したようだが、勝たずして楽しむに比重がかかるのは、問題であったのだから。
 国別では、中国の北京を見据えた若手シフトで、米に次ぐ2位と早くも結果を出している。その他、韓国、タイ、インドネシアとアジアの力が目覚めた大会でもあった。
 明らかに、時代は動いている。
 ここで、アテネに因みギリシャ語のペルティアを紹介する。これは、役割の交代を意味する言葉である。指導法も指導者も強化委員会もいろいろな意味でペルティアが要求されている。例えばエネルギーの世界では、炭素系から水素系へのシフトの芽生えや、産業も動脈から静脈へと循環形成が進みつつある。
 経営についても、エコノミー中心からCSRというエコロジーや社会貢献が問われ始めている。
 遅れてはいませんか。こうした取り組み。
NPO法人 イー・ビーイング
理事長 井上健雄