2004年7月の言葉
 食ビジネスへの参加を呼びかける 
 この程、日経ビジネス(6/28号)が、農業再興……「食」の崩壊を回避せよ……の特集を打った。
 このビジネス専門誌が、農業を正面に据えて注力取材している。なかなか、時宜を得た企画である。
 最初のリード文を掲載する。
狂牛病、鳥インフルエンザ、自給率低下………。
農の問題が後を絶たない。
農政と農協に翻弄され、
この国の農業は疲弊している。
今、規制と抑圧に抗う者たちが、
農の世界を変え始めた。
あと5年で農の旧体制は崩壊する。
そして訪れる好機。
農業再興………。
今こそ、日本の英知を田畑に注ぎ込め。

(金子信一郎、戸田顕司、篠原匡)

 特集の中で、ひときわ目を引いたのは、「日本の農政を振り返れば、どん底を味わい、農政に抗ってきた者ほど成功している」というフレーズである。皮肉というより、本質はこうだと思う。
そして、体制に挑戦し勝利を納めている米沢郷牧場の伊藤幸吉氏や大潟村あきたこまち生産協会の涌井徹氏を挙げ、また農業をベースに生産、加工、サービスを融合させた第六次産業を創造し始めた船方農業グループ代表の坂本多亘氏を登場させている。
 是非、日経ビジネスで全文を読んで欲しい。
 というのも、私どもNPO法人イー・ビーイングも「食の安全・安心」を提供する「食」の新ビジネスモデルを「青果ロジ事業」として取り組んでいるからである。
 私は、健康とは病気でないことを言うのではなく、元気溌剌としていることだと思う。
この健康は、「食」の素材の安全力と素材の健康(栄養)力に依存している。
その為には、いいものそのままや、安全・安心の加工や調理、鮮度保持流通のサプライチェーンを築き『食卓まで安全・安心の素材や料理』を届けるビジネスモデルが必要と考えている。
日本人の全ての人々に、健康力のある食物を届けることに通じ、健康な人(高齢者を含む)を創り、そのことにより、介護や福祉サービスの負担を減らせれば、財政不安を除き、世代間のあつれき軋轢も生じないだろう。
こうした視点から、日本の農業再興を図ろうとしている。「食」を中心とする新ビジネスモデルを、綺羅星の如く用意し挑戦し始めている。
 私たちも、前述の先駆者の方々のけいがい謦咳に接しながら、新分野を切り開いてゆく。こうした過程や先生方との交流やシンポジウム情報を提供して皆様方への応援歌としたい。我々に参加して戴くもよしだし、それぞれで活動されるのもよい。出来れば、私たちの産学官のコラボレーションシステムで、成功を?んで戴きたい。
みんなで、農のあり方を見つめ、新しい農政を創り上げ、そして食の安全・安心が蔑ろにされている現状を一緒に立て直そうではありませんか。
NPO法人 イー・ビーイング
理事長 井上健雄