2004年2月の言葉  「いま」始める 
  草はらはまだいっこうに緑にならない
草は梳(くしけ)らず蓬々と森の中に立ち
まるで千歳の年寄りのようで
もうじきふうりん草が
咲くなんて? と誰しも思う

……

しかし人生を知るものは知っている
ことしもいまにかならず
例年のようになることを
一組の夫婦が森に坐り
春を待っている

……

 
 「春は前借りで」というE・ケストナーの詩があります。皆さんもいろんな形で春を待っていらっしゃるでしょう。
季節の四序は、天掟により、春を連れてきてくれます。
しかし人の世の春は一筋縄ではやって来ません。
自然は、冬ならばこその眠りと枯葉の蓄積により花芽を咲かせます。
同様に人の世も、研鑚の日々と不毛に終った挑戦の数々があってこそ豊かな春を迎えることができるということです。
さぁ それぞれが充実した日々と努力に憾みなしでしょうか。
実力とは、蓄積9、そして放電(仕事化)1、これ位の比率でないと手に入らないものです。
情報深耕とチャンスの掴み方について考えてみましょう。
北米のある湖でニジマスを増やすプロジェクトが実行されました。ニジマスの好物のエビを大量に放流したのですが、結果的にニジマスは激減しています。
ニジマスの食料であったプランクトンをエビが食べてしまったからです。食物連鎖など生態系の多様性に思いをかけない対策は逆効果となった訳です。
もう一つは少し観点は異なりますが、ショッピングカートの事故を見てみましょう。ある時、子供がアゴの骨を折る大怪我をしています。広い駐車場で風に煽られると時速56kmにもなることが判明しています。つまり外での使用時に風や坂などを考えて、ある一定以上のスピードになると減速がかかるシステムも必要となるのです。
 ここまでの話題を公式に表すと次のようになるかと思います。
Oppotunity(機会) = {Trend(流行)× Brains(頭脳)}÷ t(時間)

 ※この中のトレンドについては次回に譲りたいと思います。

つまりチャンスを掴まえるということは、トレンドにのっとったことを切れる頭で数時間に圧縮して考えれば成功するということです。この公式を集団として展開しているのが「エコロジー研究会」です。一度ホームページを覗いてください。こうした視点で「いま」を始めてください。いまは未来を創る場所であり、未来を変えられる場所です。
 「いま」春を創ることは十分可能です。
NPO法人 イー・ビーイング
理事長 井上健雄