2003年12月の言葉  コラボレーション・ プロデューサー 
 12月には11月では思わなかった歳末感があります。私たちの事務所のあるATCビルに大阪一早いクリスマスツリーの点灯式が10月30日にありました。皆様も11月〜12月の間に是非いらして下さい。食べましょう。飲みましょう。語り合いましょう。

 先程、科学技術力では相当水をあけていると思っていた中国が世界で三番目となる有人宇宙飛行を成功させています。改めて日本の存在意識・方向性が問われています。さてどうする?世界は、一片の葉脈のように相互依存の網で結ばれており、BSEやSARSで分かったように一国での出来事がすぐ他国へ波及する時代なのです。

 特に経済は、相互依存の中で呼吸し考え活動しているものですから……。

 つまり、日本の不況とデフレの原因は、米国の進化した脱工業化社会の煽りと中国のレベルアップした工業化した社会の狭間で何に活路を見つけ出すか分からずに彷徨していることにあると言えます。俗にいう中国モデルは、SCM(Supply Chain Management)の中核を担い安い生活必需品ライフスタイルを全世界にもたらしています。しかも、日本の依然として高いコスト体質は、キャッシュフローを圧迫し、有利子負債の返済の重しもあり設備投資まで金を回らせない現状にあるからです。

 ここ当分この構造からは脱却できないでしょう。しかし個々の人や企業にとって、取り組み方次第で明るい展望がある筈です。

「ゾウの時間とネズミの時間」が教えてくれたように、島の法則が働く小さなサイズからは偉大なソリューションは出現しないのです。このステージは、大企業なら大きいステージかと言うとそうでもありません。部門化や職階、職位により分節化していることが多いからです。つまり、小さな企業(極端に言えば1人)でも幅広い協働により活動のステージを大きくすれば、大ソリューションで勝てる時代なのです。

 ここまで話してくると賢明な皆様はソリューションはお分かりになったと思います。

 そうなんです。答えは、相互依存をプラスに活かし、相互依存の中で光る独自の役割を果たすことなんです。相互依存を正に活用することです。ほんの少しだけのプラスを付け加えたビジネスモデルを創りそれをコラボレーションのネットに載せればどんどん相互依存のネットの中で拡大発展するのではないでしょうか。

 そのメルクマールは、社会に貢献できるかがポイントです。むしろ減少してしまうコラボレーションならそのネットから退却すべきなのです。しかしそれぞれが頑張れば良いのかと言うとそうでもありません。その正否は、大きく新サービス(商品)を見つめているコラボレーション・プロデューサーの洞察力とアドバイスにかかっています。志ある人々で集まり社会的ソリューションを産み出そうではありませんか。12月のエコロジー研究会ではこの辺りを勉強し、皆様の会社に新機軸の提案ができるのでないかと考えています。特に今回は会員の方々の発表とシンポジウムで実行レベルがわかるものにしたいと意気込んでいます。お楽しみに♪♪♪

NPO法人 イー・ビーイング
理事長 井上健雄