もうすぐ春爛漫 【3月】
2022/3/17(木)
春なんですから、ちょっと「春」を楽しみ、喜びたい。
静岡県 河津町 河津川沿いの桜並木は、壮観。
菜の花の黄色と河津桜の濃いピンク、明るい空、そして青い山並みといろんな色に出会えますよ。
本州で一足早く咲くこの河津桜はもう葉桜・・・
私の住む大阪の桜(ソメイヨシノ、ヤマザクラ…)も蕾を膨らませています。
こうした自然の変遷を、内村鑑三は「寒中の木の芽」という詩でうたっている。
(一)春の枝に花あり 夏の枝に葉あり 秋の枝に果あり 冬の枝に慰めあり |
(二)花散りて後に 葉落ちて後に 果失せて後に 芽は枝に顕わる |
(三)嗚呼憂いに沈むものよ 嗚呼不幸をかこつものよ 嗚呼冀望の失せしものよ 春陽の期近し |
(四)春の枝に花あり 夏の枝に葉あり 秋の枝に果あり 冬の枝に慰めあり |
なんと素晴らしい年月の展望ではないか。
清少納言なら
ただ過ぎに過ぎたるもの 帆かけたる舟 人の齢 春夏秋冬
なかなか粋で生意気だが、友だちになりたいとさえ思う。
もっと突き抜けた人生なら、白隠禅師であろう。
六月に松風を買わば 人間(じんかん)恐らく価(あたい)無からん
(私の解)旧暦の蒸し暑い夏の盛りに、松の枝々を縫って、涼しさと少しの湿度に松の香りをのせて、一陣の風が訪れてくれる。この風を賞味せずに人里に住んでいてもつまらないよ。
季節毎の感慨は、人生を豊かに味わい深くしてくれる。
やはり、春は春を嗜むべきである。
理事長 井上健雄