「G」はいらないのか? 【7月】

2021/8/12(木)

作成 R3年8月11日

こう書き表すと、ある人は、あの巨大化したグーグルについてのコメントと思われるかもしれない。

ある人は、ガバナンスがいらないなんて、ちょっと無政府的で厭だなあ…とか。

まず、最初に否定したかった「G」は、ゼネラル(general)なんです。全体的な、一般的な、雑多なとかの意味をもつものです。

ゼネラルが、前についている企業の消長遷移を考えたい。

GM(ゼネラルモーターズ)や、GE(ゼネラルエレクトリック)である。

一時、隆盛を極め、そして没落の憂き目にあって、今、立ち直ろうとしている。

GMは、買収を続け、世界の最大手の自動車会社となったが、リーマン危機で破綻し、欧州やタイなどからの撤退、米国内も縮小するという手術をしている。

GEだって、16年間GEを率いたジェフ・イメルトは、カリスマ経営者ジャック・ウェルチ氏の事業拡大の整理をできず、電力や放送、ペット保険にまで手を広げ、苦境に陥り、祖業の照明まで辞めざるを得ない苦境に陥ったのである。

この二つの企業を立ち直らせたのは、名称についている「G」つまり、あれもこれもをやめて、強い部門に力を集中させ、業績の回復を成し遂げたのである。

さて今回、検討を加えたいと考えているG、グーグルに入ります。

グーグルも検索大手から、ある種のゴッド(G)企業へと変わろうとしている。

グーグルは、これまで200社以上の買収をしています。そして成功打率は5割を越えていると言われ、投資額は3兆円以上。知識も時間もお金で解決してしまうのだから、凄いですね。

(買収代表例)2005年アンドロイド、2006年ユーチューブに2000億円、2013年ディープマインド

この3社だけでも凄いパフォーマンスです。

グーグルは、おいしいものに金を湯水のように使い、ゼネラル・ゴッドの道に進んでいるように見える。

人が検索する前に欲望を察知するAI知能のディープマインド社とグーグルの、個人情報の収集能力の積は脅威です。

ここでディープマインド社の能力の一つであるアルファゼロの能力を紹介します。

「アルファゼロ(alpha zero)」というAIは、囲碁も将棋もチェスもそれぞれ最強というソフトに勝って世界最強なんです。

将棋を例にしても、アルファ碁は機械学習で、3000万局ぐらい練習しています。

一方人間は、一生懸命、一生やり続けても、10万局なんです。

つまり、グーグルは,検索を柱とした企業からディープマインド社のAIを活用し、検索をする前に人々に答えを提供しようとしているかに見えます。

旅行好きな人には、その人が動くであろう2~3か月まえに2~3のコースを食事や観劇や秘境の旅などレアものを含め、その人の性格や好みに合った提案をしてくると思います。

また、週末の金曜日には、ブラウザを立ち上げるとおすすめのレストランと店主の挨拶まで聞けるものとなります。

このレコメンドが出来るということは、人々の一人ひとりの個人情報を、グーグルに掴まれているということになります。

人々の志向をその人が形にする前に推奨できるなんて、ある種の神ですよ。

私は、人間が創り出した神は要りません。せめて、雑談AIや、俳句を詠むAI位でいいんじゃないですか?

こうした事態の根本に、私たちが無料だと思って使ってきた検索内容から個人の志向を特定し、それを他社に売って、あるいは自社のために使うなんて、そんなこと知らなかったんですから…

DX(デジタル・トランスフォーメーション)もCX(カンパニー・トランスフォーメーション)も、どんなトランスフォーメーションも好きにやればいい。

だけど、集積した個人情報から人にリコメンドする神になるのは、許さない。

これに対して、アップルのティム・クックの提案を私は支持します。

アップルの創業者のスティーブ・ジョブズは、「ユーザーは、自分のデータがどう収集され、活用されているかについて、知る権利がある」としている。

アップルにとって「プライバシー保護は、アップルの背骨の哲学である」とティム・クックは主張し、Google、Facebook、Amazonらに対し、立ち位置が違うことを表明しています。

例えば、アップルのSiriもその質問と我々の身元をヒモづけないまま、情報を検索し解答してくれます。

最高にプライベートなヘルスケア・アプリの情報については、端末内のセキュリティチップで暗号化され、Touch IDやFace IDなど認証されない限り、アクセスできないのです。

グーグルに限らず個人情報を一手に握ったG(ゴッド)企業を創り出してはならないと考える。

アップルを応援したい。アップル頑張れ!フレー フレー フレー。

理事長 井上健雄

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