無限にあると思える砂が枯渇する! 【3月】

2021/3/12(金)

地球上の人類の重さは4億トンと言われてる。

一方で、サハラ砂漠から、毎年巻き上げられる砂塵は、20~30億トンと推定されてる。

この砂塵は北は欧州大陸を超えて北欧へ、そして氷河を茶色にし西へは大西洋を越えて、北米、カリブ海や南米大陸まで降りそそぐ・・・人類の重さの5~8倍もの砂が・・・

フロリダやカリブ海における朱色の夕日は、本当は砂塵を夕陽が赤く染めているに過ぎないのである。

夕陽の描写は、あのカズオ・イシグロの『日の名残り』が美しい。読んで欲しい。

おっと、おっと、私が言いたいのはこれではない。私が心配しているのは世界中の砂資源がなくなるのではないかと不安に思っていることである。サハラの砂塵だけで20~30億トンもあるのに。

砂の市場規模は、7兆円をこえ、採掘される地下資源の85%を占める。

毎年世界で470億~590億トンの砂が採掘されており、70%は建設用コンクリートの骨材として消費されている。

500億トンの砂で、高さ5m巾1mの壁をつくると地球を125周も巻くことになるし、体積にすれば、東京ドーム2万杯となるらしい。

しかもこの量は、世界中の川が、1年間に運ぶ土砂の2倍を超えているらしい。

自然が提供できる量は、半分しかない。つまり河岸、砂丘、砂浜の堆積層から殆どが違法採掘されている。このことが地球環境を壊し始めている。

発展の速度で世界の1~2を争い砂を大量消費しているのは、東の上海と西のドバイである。

例えば、ドバイの自然というものは、街を取り巻く砂漠と星空しかないと言われる。

このドバイには世界一がアホ(?)ほどある。

幅275m、高さ150mまで噴き上がる噴水。『ドバイ・モール・ファウンテン』である。

総面積約111.5万㎡、東京ドーム23個分のショッピングセンター『ドバイ・モール』がある。

年間来店客数は8000万人超えている。

圧巻は『ブルジェ・ハリファ・タワー』。

160階建て、828mの高さで東京のスカイツリーの1.3倍、360°異次元展望・・・

このブルジェ・ハリファの建設の為に、約76万トンのコンクリート、39000トンの鋼鉄、102000㎡のガラス、基礎杭として11万トンのコンクリートが投入されている。

その上、このペルシャ湾には、宇宙からも見えるという『パーム・ジュメイラ』をはじめ、人口島があと2つもある。一つの敷地は5.7k㎡サッカー場800面相当となる。

砂は、オーストラリアから輸入されている。

またゴルフコースには、アメリカのノースカロライナ州産の白い砂を輸入。砂漠の砂ではさらさらで、ゴールボールが沈んでしまいバンカーとならない。

また、競馬場のダートの砂はドイツ産であり地元のものより吸収性が高く馬へのダメージも少ない。

こうしたことで、ドバイの1人あたりの水消費量は年間740㎥、世界平均の1.5倍。

その水も海水の淡水化の為に、総電気量の30%が使われている。

こうした発展は、地球上に無限にあると思える砂まで枯渇の危機に陥らせているのである。あぁ恐ろしい・・・

理事長 井上健雄

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