秋風をうけて 【10月】
2020/10/1(木)
おっ、もう10月のそれも10日も過ぎているぞ。
いや~この夏は暑かったですね。
でも10月の風は秋です。
たまには、風流にいこうではありませんか。
菊の香や 奈良には古き 仏たち 芭蕉
菊の開花期は、春菊、夏菊、秋菊、寒菊とありますが、私は秋菊。
そして小菊が好きです。
菊と言えば、9月9日の重陽の節句も好きです。
しかし、日本の温暖化のあまり、9月は夏です。
寒い間にやって来る立春は、春に思いを馳せて大好きですが、冷涼な秋の行事を残暑に楽しむのは野暮です。
重三(3月3日)、重五(5月5日)、重七(7月7日)、重九と日本には、四つの節句があり嬉しいです。
最初の三つが女・子供の祭りであり、重陽の節句は熟年者のお祭りです。
平安時代には、9月9日(旧暦)の前夜から、菊の花に綿をかぶせておいて、翌朝、菊の香の露を吸い込んだ綿で身体を拭くと若返ると言われていました。
英照皇太后は、孝明天皇から下された菊の着せ綿を終生大事にされていました。
身を拭う時には、きっと涙も拭われたことでしょう。
もう少しすれば、銀杏の黄葉を称えようではありませんか。
私は、小学校のある時期、大徳寺(京都)の前を自転車で走り抜けていた頃があります。
北は黄に 銀杏とみゆる 大徳寺 召波
こうした歌は当時知りませんでしたが、秋の深まりに黄金色の焔に気持ちを高ぶらせたものです。
ああ懐かしいです・・・
理事長 井上健雄