地方創生を若者、馬鹿者、余所者で!

2015/11/20(金)

中央省庁が旗を振っている「地方創生」に寄りかかり待っているようでは、創生はない。
なぜなら地方の政治・社会構造を旧のままに置いて、成長はないからである。
そして地方府の長を地元の名士が順繰りでやっている所に、「清新の風」は吹かない。
なぜなら既存の利権を維持したままで、地方活性はない。
旧勢力が頑張っているとしても、それが地方府の社会、財政の悪化、若者の流失を止めていないなら、失政をしているに過ぎない。
つまり名士のお金持ち仲良しクラブに、改革など期待できる筈もない。

しかし、旧勢力や公だけが問題だとすれば良いのか、いいや良くない。
ある意味、民も公に甘え、過剰なサービスを公に要求している事実に気づかねばならない。
自分らで出来ることを自分たちでするという「しんどい意思決定」をし、そして実行することが求められている。
 「共助」の精神が地方府の無駄金使いを止め、財政健全化への大きな一歩となるのである。
つまり地方府は、国や県の通達や指示のもとに仕事をするべきでない。
自分たちの「地方」のあるべき形を考え、考え抜き、そして地方府がデシジョンをすべきなのである。

そんなおいしいことを、日本のどこに成功例があるのだとおっしゃる方もおられるかも知れない。
そこで私は、長野県の最南端 下伊那郡の中央に位置する「下條村」を紹介する。
人口3,963人、面積37.66km2、70%が森林、標高が332m~828mに点在。
この村が奇跡の村と呼ばれる。

合計特殊出生率(2011年)  全国1.39人  下條村1.92人

 この奇跡(本当は、民間感覚の誠実な政治。その主、伊藤喜平村長の手腕とまわりの共助)は、1992年村長選挙(投票率96.22%)の伊藤喜平氏当選に始まる。
ここで伊藤氏の施策を語ることはしない。(ネット等に情報はあふれている)
出生率がかってに伸びたのでなく、いろいろな施策の総和として1.92を実現したのである。
もちろん「メゾンコスモス」と名付けられた集合住宅がバネになったとしても、

  • 家賃3.5~3.6万円(若者限定)-国・県の補助なし-紐つきだと自由な選択ができない為
    2LDK(約20坪)、車2台分のスペース有
  • 2006年までに10棟、一戸建て含め178戸
    家賃はさらに値下げされ、3.3~3.4万円
  • 小・中学校の給食費30%補助、2014年から半額補助
    2015年から第3子の保育料無料
  • 第2子出産祝い金5万円、第3子出産祝い金10万円
  • その他、入学祝金を商工会の商品券で配布などあり

※ 健全な財政でなければこうした取り組みはできない。

 地方創生の政治のあり方、人について記述した。
そして私たちの6次産業化も、下條村の伊藤氏などの人物の登場が必要である。
私たちの進む6次産業化についても、人の果す役割が大きい。
旧来の一次、二次、三次などの既存の枠組みの中で活動するものでなく、一~三次までを通した形でソリューションを描くものである。
6次産業化の成功の為に、地域の中で改革や進取の気象に富む人(出来れば若い人)たちが必要である。
地域を変えるには、若者、馬鹿者、余所者(よそもの)と俗に言われる三者がいる。

若者 :
既存の枠に捕われることなく、新しいことにチャレンジできる人。
そして地域を良くしたいという改革の灯を絶やさない人。
馬鹿者 :
頑固一徹で自分の仕事、つくるものに一生を掛けて悔いない人。
基本的に人の言うことを聞かない人。
余所者 :
地域外の人であるが、その地域について地域の人以上の愛着を持ち、地域の良さを地域の人々と創りあげたいと燃えている人。6次化について深い知識を有する人。

こうした人々と地域創生を6次産業化でしようとするのが、私たち「新資源6次産業化研究会」である。

(注)今回の挨拶の言いたいことのキーワードとして、7つを太字にしている。

理事長  井上 健雄

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団体概要ー
2002年3月設立 理事長 井上健雄
産・官・学・民をつなぐ社会的協働体を形成する。
社会的課題解決を企てる協働体を創造する。
主な分野は名前の由来で説明する
"イー"は、エコロジーの"E"を指し、地球環境の生態系を守る。
"ビーイング"は、Well-beingの"B"を指し、誰も取り残さない社会を作る。
英語名は、E-being である。
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