「おしゃれ」にはじめて「たべもの」でしめる【11月】
2018/10/30(火)
「山風に笠取られたるカカシかな」
今年の台風21号は、こんな生易しいものでなく、大木まで倒すまでのひどいものだった。この台風とともに秋へと季節交代が始まっている。
昼はまだ汗ばむ程だが、朝・夕は冷涼な風に驚かされることもある。
哀愁、淋しさ、夕暮、等々は、秋と相性がいい。
しかし秋に「紅葉」の言葉一つで鮮やかに紅に染まったもみじ、柿の葉色の変化、爽やかな黄金色のイチョウの葉・・・
幻想的な景色を思い浮かべさせる。
こうした瞬間を描き出した歌がある。
見わたせば花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮 藤原 定家
この歌そのものは晩秋における寂しい景色であるが、「花」「紅葉」がないとしつつ
そこに見えない咲きそむる花、鮮やかに紅に染まった紅葉をふっと思い起こさせる作用があり晩秋の景色に、幻の一幅の絵を見せてくれるのである。
ちょっと上品に景色や歌を楽しめば、次は食欲の秋である。
繁盛するラーメン屋がある。
混雑時には席につくまで60分待ち、待ち時間はウェイティングバーでカクテルを飲み席についたら前菜をつまみながらワインを飲み、そして ラーメン(20$/杯)を食べて最後にデザートを食べて二人で合計150$を払う。
これはニューヨーク『一風堂(2008年)』である。
予約がなかなか取れない寿司屋。おまかせと獺祭一本を入れると二人で1,500$。
これはシンガポール マンダリン オーチャードの『はしだ』である。
私は寿司には余り趣味でないので『はしだ』さんについては不如意である。
一風堂はラーメン。博多一風堂(1985年)がスタートである。
河原 成美(1952年生まれ)氏が創業者。
ここのHPを見るとこれが「ラーメン屋」かと思うおしゃれなカフェである。
そして「注文をまちがえる料理店」なるプロジェクト等も実施している。
2017 9/16 東京六本木で、働く人はみな認知症の方々で運営されました。
なかなか味な企画ではありませんか。
勿論、味も良く、汁なし担担麺などメニューもいろいろ工夫されました。
私は札幌の狸小路店が初めて入った店だったので、今回これらの情報を知ると吃驚です。
はやるにははやる訳があるのです。
従来の姿から、その土地に相応したオリジナルの一皮むけた姿が受けているのである。
10月の挨拶で書いた淘汰圧をこうしたこの事例は、見事に成長・成功につなげている。
私たちもしっかり「はやる」を始めましょう。
理事長 井上健雄