砥石とともに【9月】
2018/10/30(火)
私たちはいつもいろいろな仕事、いろいろな注文、いろいろな錯覚に満ち溢れた中にいる。
いろいろな仕事(まともなもの)は、優先順位をつけて、大義にそって効率的に正確にやらねばならない。
いろいろな注文、これはまずその注文の正当性をチェックしなければならない。
正当な注文には迅速に対応する。しかしその要求が、それまでに合意されたものをひっくり返すものであったり、タイミングや協働を考慮し ないものであったりすると厄介である。
厄介の最たるものは、個人の恣意的な思いつきである。
これまでの経緯を記したものによる例証や時限をきめていたものが突然の前倒しには協働者の多い場合は不可能となるし、思いつきには殆ど 対応の仕様もない。
しかし、このマイナスの注文こそが私たちを「磨く砥石」と考えねばならない。
(少し不幸なことであるが・・・)
小さな自制心に欠けてしまうと大きな自制心までなくしてしまうことになるからである。
自分自身が仕事のコントロールするMC(マスターオブセレモニー)と位置づける能力が必要となる。
こうした状況の中でも自己実現をはかることは、不安や怖じ気づいたりするものであるが、この火の中を潜(くぐ)りぬけた人だけのいっ そう自分を獲得するとしたら砥石こそ自己完成の道である。
理事長 井上健雄