仕事の品質【8月】

2018/7/31(火)

 ある地区に二つの大学がある。
 一つは名門大学、一つは州立大学である。
 二つは同じような学部を持ち、大学教育認証機関によって認められている。
 名門大学は、高いレベルの学術論文や、世間に評価される有名教授を擁している。
 一方は、貧しい家庭の子供たちが初めて大学に進学するところである。
 こうした時、どちらの品質が優れているか、皆さんいかがお考えですか?

 そりゃ名門大学ですよ、となる。
 しかし、どれが正解とも言い難いのである。
 なぜなら、学びに対する顧客の欲求に応えている点で、同じとも言える。
 名門大学は、「学生に成功のための教育」を行っている。
 対し州立大学は、「貧しい人たちの生き残りのための教育」を行っているのである。
 その大学の使命によって、品質が規定されるのである。
 州立大学が、名門大学の1/3の費用で学べる構造をやめて、授業料を上げて成功のための教育に向かうのが正しいかとなると、それは疑問である。

 このように「品質」というものは使命との相関が高いものである。
 私たちのする一つの受託事業の品質というものを考えてみよう。
 端的に言えば、市民欲求を汲み取り整理し、デザインした委託者の要求するものであったり、真の顧客(市民・地球や環境)の要求するものとかが、それが私たちの品質となるのだろう。
 つまり市民、行政の求めるものを実現させる、社会的実装こそが、私たちの仕事の品質となる。
 とは言え顧客自身が、明確に意識していない要素を考慮に入れずにすませば楽であるが、それはまた仕事と言えないだろう。

 当然どの仕事をとっても、顧客は多岐多様である。
 顧客は、市民から地球、特定の仕事を依頼した専門家、金元の会社、行政であったり、いろいろである。
 話は少し比喩的になるが、未来について、私たちに分かることは一つしかない。
 今と違うということだけである。
 とすれば、未来は予測するより、創り出せばよいのである。
 私たちが良い仕事をする為には、独善に陥らず、協働して答えを求め続け、そこから新しい創造を生みだす姿勢こそが、仕事の品質を高めることになる。
 いいコラボレーションをつくって創造してまいりましょう。

理事長  井上 健雄

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