節を分ける 【2月】
2022/2/1(火)
日本は本当にいい国である。
春夏秋冬いつもよろし。
冬について、
いざゆかむ 雪見にころぶ ところまで (芭蕉 44才)
この句は、「笈(おい)の小文」に記されたものである。
(注)今年の私のプライベート年賀状の一部でもある。
昔は雪も深く、下駄履き散歩は、粋で楽しみでもあったらしい。下駄にくっついた雪が大きくなり、転んだりするのを楽しんでいる様子が目に浮かぶ。
芭蕉、この時一緒に転びたい女性があったのかもしれない。
私は隠れ恋歌だと考える。
さて、冬が終わりそうになり、春が来ようとしている今が、節を分ける日である。
これを短くすると「節分」 2022年2月3日を指す。
単に節分と言ってしまうと、豆まき、恵方巻と単純化されるので、変化の微妙さを明示したいが為に「節を分ける」としたのです。
立春は、二十四節気の最初の節気で太陽の黄経315°。
太陽の運行に基づいて、一年を二十四節気に分けたものである。
この節を分けるとは、冬から春への変化をすべての人々が切望したからである。
春から夏の立夏、夏から秋の立秋、秋から冬への立冬とあるが、それぞれの前日を節分として祝うことは余りない。
季節は、このようにいろいろな節目をもって人々を遇してくれる。
そしては、年齢に応じたものから、思想や生物の不思議などいろんな節目に迎えられている。
そんな節を分けるいろいろを、4例示したい。
・孔子なら「吾 十有五にして学に心志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を
知り、六十にして耳 順い、七十にして心の欲するところに従いて矩(のり)を踰えず(こえず)」
・ヘルマン・ヘッセなら「しがみつくことで強くなれると考える者もいる。しかし時には手放すことで
強くなれるのだ。人生の義務はただ一つしかない。それは幸福になることだ。
君自身であれ!そうすれば、世界は豊かで美しい!」
・体長1mm以下のクマムシさんは、100℃の高温や極低温でも生存でき、人間が即死する放射線でも
大丈夫。 そして、水深1万mの高水圧もOK. 考えられないタフな虫ですね。
・人間の細胞の数は60兆個と言われてきたが、最近、37兆個というレポートが出た。細胞の一つの
大きさは、 10ミクロンほどで、顕微鏡でしか見えない。
小さい方の細胞数37兆個×10ミクロンとすると、37万kmとなる。
地球の一周は、4万kmだから、地球の9周分ある距離となる。60兆個なら地球15周。
地球6周分の長さの差が、最近になって出てきた。こうした研究者の活動にリスペクトしか
ありません。
恐ろしくありませんか。60兆個を37兆個とする、どんなロジックとエビデンスがあるのでしょう。
世の中に本当に分かっているということは、ほんの少ししかないということですよね。
いろんな社会的な意義、出来事、多様な事象、いろんな研究がある。本当に人生は、素敵で面白い。
何にだって意味があるし、何にだって生き甲斐がある。
もっと分かりやすく表現すれば、節を分けることを見つけ、自分を輝かせることに一心不乱になることだと思います。
皆さんご一緒しませんか?「節を分ける」変化を見つけ、変化に対応し、ある時は変化に抗い、ある時は変化を創りだし、プリコラジュを楽しみましょう。
理事長 井上健雄