健康の極意 【12月】
2021/12/6(月)
自然は凄い。
海水1Lに30億個のウィルス。1gの土に100億から1,000億の微生物(その種類にして6,000~5万種も)。
人間も凄い。
発生学的に言えば、受精卵から最初に作られた臓器は腸でないかと言われている。
その大腸には100兆個を超える常在細菌が生息している。
人の細胞は、37兆2,000億個。人の遺伝子の数は2万1,306個(ジョンズ・ホプキンス大学が2018年ネイチャー誌で発表)。
人は、人の細胞と遺伝子に数倍する常在細菌とがコラボレーションして成り立っている。
この常在細菌が、臓器等とインタラクティブなコミュニケーションを築き、私たちの健康を最適化させてくれているのです。
腸の役割の主なものは以下である。
〇人に利用可能な栄養素を作る
〇糖や脂質などのエネルギー代謝を維持する
〇消化器の機能を維持する
〇内分泌の調整
〇メンタル・脳機能の維持・調整等をしている
人は微生物と共生している存在なんです。
従って、抗生物質や殺菌剤などよくよく考え、使うべきなんです。
農薬で汚染されたものを食べると、この常在菌が死んだりして、菌のかく乱が起こり、健康に変調を起こしたりする。
あのO-157の事件だって、抗生物質ばかり投与されて牛の腸内の大腸菌が、ベロ毒素を出すO-157に変化した結果なんですから…
腸内物質叢のバランス失調が、発達障害の原因の一つになったり、パーキンソン病・認知症も腸の異常で起こるといわれています。
少し短絡的な論理ですが、人にとって腸の環境改善に役立つ食物の摂取こそ大事なんです。
俗にいう「マ・ゴ・ハ・ヤ・サ・シ・イ」です。
マ…豆
ゴ…ゴマ
ハ…ワカメ
ヤ…野菜
サ…魚
シ…シイタケ
イ…イモ
特に、植物に含まれる多糖類レジスタントスターチが、腸の健康にいいんです。
今回は、健康の極意として腸を中心に説明しました。
常在細菌や、常在ウィルスなど、まだまだ十分な解明が進んでおりませんが、健康のポイントは、「菌、ウィルスの多様性が高い」ことにあります。単なる善玉菌・悪玉菌と区別せず共存することです。
皆様、あなたの内臓も、そこここの自然も、大事にしましょう。本当に同じレベルなんですから。
地球の健康があなたの健康に、そしてあなたの健康が地球の健康につながっているのです。
言い換えると、プラネタリーヘルスは、ヒューマンヘルスともなります。この辺りを今後展開していきます。
理事長 井上健雄