岩登りの大好きな52歳のジムは、能力のあるコンサルタントである。彼は1995年に(T)※を、2001年に(U)※を、2010年に3巻目を出版したベストセラー作家である。日本企業の現状には、今回のものが最も合っている。
その本とは、ジェームズ・C・コリンズの労作「ビジョナリーカンパニー(V) −衰退の五段階−」である。企業の5つのライフステージごとに、どのような病状が出やすいかを示している。
ビジョナリーカンパニー(T)の「時代を超える生存の原則」は、不朽の名作である。ここで印象づけられたのは次の言葉である。
「卓越した企業を築くにあたっては、だれでも主役になれる」
「だれでもがビジョナリーカンパニーを築ける」
12の神話をあげて通説を否定しているが、その中で「『ORの抑圧』をはねのけ『ANDの才能』を大切にしたい」に感動した。つまり一流の知性とは、二つの相反する考え方を同時に受け入れ、それぞれの機能を発揮させる能力だとした点にである。
(U)で目を引いたのは、リーダーの5段階の5が面白い。
1.有能な個人2.組織に寄与する個人3.有能な管理者4.有能な経営者5.謙虚と意思の強さという矛盾を組み合わせ、
偉大さを維持できる企業をつくる
この巻でビジョナリーカンパニーとしてあげているニューコア(製鉄会社)がある。ここの年次報告書には、全従業員(2007年で18,000人)の氏名を掲載しているから面白い。『あんた会社に解雇されたら離婚だからね!』と妻に脅されて出勤する夫たちが多いのも特色である。
今回の(V)は、図に示したように企業のライフステージごとに出る病状を冒頭に載せた。「転ばぬ先の杖」として欲しい。
そんなこんなで、久しぶりのエコロジー研究会では、それぞれの企業・各自の衰退へのきざしの点検とともに、皆さま方のビジョナリーな発展を期して、今回のテーマ選定となりました。そしてCOP10を記念して2人の学者の方に多様性について語っていただきます。
一、そこでわれら研究会の枢要なメンターのお一人……ハイ!郡嶌孝教授にご登壇いただきます。先生は、アメリカ(シアトル、約18カ月)から帰国されたばかりですので、学者生活初期のシアトルと現在との差を語っていただきます。そこに見る日本の退潮、翻ってアメリカのもつ底力的なダイナミズムを語っていただき、私たちの飛躍の視点をご提供いただきます。
二、初登壇の荒井修亮氏は、少壮の学者でタイの海でウミガメと戯れつつ、H19年には海洋理工学会業績賞を受賞されております。多様な水圏生物にバイオテレメトリーや音響計測などを応用して、生態解明、バイオロギングの権威です。
三、土屋英男先生は、前回「民主党政府の政変と教員養成の行方」「新型インフルエンザの流行と中年女教師の憂鬱」のお話で一気にエコ研メンバーの心を掴まれました。軽妙洒脱な語りと学識の深さに酔ってください。
四、ベンチャー企業エネライト代表、和田虎志様からは、‘LEDに挑戦する日々’として省エネとコスト削減に挑む毎日を熱く語っていただきます。その起業も国内雇用の創出と国内企業の発展の一助とするという高邁なビジョンのもとに展開されようとしています。熱意に絆されて『このLEDを導入してみよう』となれば嬉しいです。
五、また私の方は、ビジョナリーカンパニー3部作の要諦をまとめ、企業の盛衰に関与されている人々への応援歌とします。
日 時 | : | 2010年11月4日(木) 14:00〜17:45(13:30より受付開始) |
会 場 | : | おおさかATCグリーンエコプラザ内 ビオトーププラザ |
受講料 | : | 費用は年会費で充当致します。会員企業はお二人まで無料招待させて戴きます。お誘い併せてお越しください。ゲストスピーカー、招待者の方々は、人格の香りと最新の情報が参加費となります。 |
申 込 | : | お名前、会社名、部署・役職、ご連絡先、懇親会への参加の有無を明記の上、メール(yagi@e-being.jp)又はFAX(06-6614-1801)にて |
主 催 | : | 有限会社フィランスロピー研究所 エコロジー研究会 |
備 考 | : | セミナー終了後に共感ディナーを開催致します。お時間の許す限りご参加ください。 当セミナーは原則として会員限定です。 |