一、 |
この内なる自然の象徴版として、エコツアーならぬ移植ツアーがある。これを21世紀の一大サービス産業になるというのだから恐ろしい。
つまり世界的な臓器不足と経済格差を利用して、発展途上国における臓器移植をツアーとしたものである。
悪名高いイスラエルでは、ザキ・シャピラ医師が主催する移植パッケージツアーがある。イスラエル厚生省は、これに保険適用まで認めている。専門医師とツアーコンダクターが同行し、チャーター機で家族一人とともにトルコか東欧のどこかで臓器移植を受けて帰ってくるのである。 |
二、 |
インドのハイデラバードの病院コンツェルン、アポログループがある。この国のキーワードは、先進国医療のアウトソーシングである。これを武器として、経済を活性化させようとしている。
安価な医療費(アメリカの1/5)が受け、アメリカ、カナダ、ヨーロッパなど英語圏から患者が急増し、数年後には1,000億円を超えるとされている。
臓器バザールというレッテルさえなくなれば、一つのグローバル化ではある。 |
三、 |
ヒト組織の売買である。
アメリカではヒト組織の入手をNPOが行い、加工会社が買い入れ、多種多様な製品として加工し、カタログ販売されている。医療用ヒト組織が売買されている。例えば、ロサンゼルスのNPOパシフィックコースト組織バンクの理事長は、俸給6,400万円を得ている。
また全米の治療用人骨の40%〜50%を供給するというニュージャージー州のオステオテク社はナスダックに上場し、社長の1998年の年俸は5,400万円である。
このヒト組織がヤケド患者に使われるならまだしも、ファッションモデルの唇を厚くポヨポヨにしたり、目尻の皺とりや人骨を粉末化して差し歯のインプラントとして使われているのである。
つまり遺体から皮膚、アキレス腱、血管、角膜等々が採取されている。そして乗用車のエアバックの機能検査やヘルメットの強度試験、スノーボードの締め具実験などに使用されている。 |