私の好きなフレーズがあります。
『歩けるようになって歩いた赤ちゃんはいない』
そうですよね。這って、立ちあがろうとして転び、また這って、立ちあがろうとして…
この繰り返しの中から、いつか自然と歩き出すんですよね。
仕事だってそうです。
最初から「完璧なパフォーマンスを納める仕事」はありません。
下手な知識足らずの、穴だらけの提案であったりしがちなものです。
もちろん、単なるケアレス・ミステークは論外ですが。
だとすると「成功の為にどうするか?」です。
どんどんチャレンジする。失敗の多さが成功に繋がる筈です。
それでも成功しないとしたら、まだチャレンジが少ないのです。
とは言え、チャレンジに新しい知識、新しい観点を組み込むことなくして、成功はありません。
「イノベーション」が必要です。
イノベーションとは、新しい組み合わせを提案することです。
イノベーションを企業サイドから見ているばかりでなく、市民サイドから、また政府(行政)サイドからと、多方面から問題を観察し、一番多くソリューションを残すサイドを中心に提案すべきなのです。
もっと有り体に言えば、顧客中心の文脈から考えることだと思います。
そしてもう一つ、イノベーションで考えるべきは、デザインでありましょう。
これを色や形、文字で逃げると表現される方もありましょう。
しかし私は、生産の技術的なイノベーションがあるなら、感覚的イノベーションがあってもいいと思いますし、どちらかに偏しているのなら、欠けているイノベーションに力を入れることがソリューションになると思います。
こうしたことをシュムペーターは、Durchsetzung neuer Kombinationen(新結合)と表現しました。
新結合を洞察し、問題解決に至る道筋を創造する。
これが「完璧なパフォーマンスを納める仕事」となります。
今年度もチャレンジ、チャレンジでありましょう。
理事長 井上 健雄