平成26年度の朧げなるイメージを書いてみよう。
量・質的に激変する社会にあって、一つひとつの事業の正解は、ムービング・ターゲット化している。
目標がいつも動いており、正確に射止めることは困難である。
そこでターゲットを見据えてばかりいると何もできず、そして時を失することになる。
そこで大事なことは、方向を間違えないことである。
そこで私はその方向を二つに絞る。
(2)複雑系なるもの
(1)は、それが直感的に美しいものであるかどうかが最初にある。
世の中を平和にするものであったり、サステナブル社会を維持するものであったり、言葉どおりの美しい景色を愛でる観光やエコツアーであったりする。
(2)は、複雑系とは比較から考えると分かりやすい。
(T)単純 | (U)煩雑 | (V)複雑 |
パンを焼く | 月にロケットを 着陸させる |
赤ちゃんを育てる |
例えば(V)の赤ちゃんの育て方というのは、あくまで個性的であり、一人ひとりの環境・性格にあった育て方が必要であり、双子であったとしても、その育て方は異なるのが普通である。
親の計画どおりなら個性は無視されていることになり、子供の自主性が損なわれていることになる。
協育は、子育てであったり、持続的な社会を維持・実現できるものを言う。
農業は、神が人類に与えた職業である。
土壌、水、温度、風、乾湿と、対応すべき作物の特徴等々、千変万化する事象に対し、人類の本来の英知と愛情を生命体に結集すべき事業である。
単なる牧歌的に蝶やトンボが飛ぶ田畑だけでなく、ハウス栽培や人工光型植物工場まで視野に入れたものでなくてはならないだろう。
後者は煩雑系と複雑系の中間かも知れない。
CSVは、企業とNPOが相手方の本業にとって役立ち、それが地域住民にとって価値あるもので、そして協働するNPOにとっても成果のあがるものである。
繰り返すと、私たちが平成26年度にやるべきことは、(1)美しいもの、(2)複雑系(簡単に誰もがやれるものではない)である。
そしてそれらの一つひとつに、イー・ビーイングならではのオリジナリティや余所と隔絶したものを創造し、各部各所との協働(ex.農商工連携などの)のデザインで、世の中の人々に、また私たちにとって喜びを創りだすものであらねばならない。
400年前、フランシス・ベーコンは、「新たな救済を求めぬ者は、新たな災厄を予期せねばならない。時は最大の改革者なのだ」と…
私たちがする決断と行動力が、これから出現する未来をいいものにするという確信のもとに、私の『26年度現実』を提示する。
理事長 井上 健雄