Land-Eco土壌第三者評価委員会
Land-Eco 土壌第三者評価委員会
Land-Eco土壌第三者評価委員会
評価事例1 バイオ浄化の効果を評価
最終評価結果
Land-Eco判定 Green- (浄化済みの土地)
調査・対策の質 適切に行われている
 土壌・地下水とも可能な範囲で適切な調査が行われており、それを受けて実施された対策も適切であるとしました。
 土壌は掘削除去、地下水はバイオ浄化により、汚染物質の濃度が低減しています。特に地下水中の揮発性有機化合物については、今後の動きを見守る必要がありますが、モニタリングから濃度の低減傾向が確認されています。以上より、土壌・地下水汚染によるリスクは回避されたと評価しました。
第三者評価の結果、関係者間の相互理解が促進され、モニタリングの終了について理解が得られました。
調査・対策の概要
対象地 電子部品製造工場跡地(宅地)
汚染物質 鉛(土壌)、揮発性有機化合物(土壌・地下水)
対策工法 掘削除去(土壌)、微生物によるバイオ浄化(地下水)
2年間の地下水モニタリング
 対象地は電子部品の製造工場で、鉛・揮発性有機化合物(VOC)を使用していました。
 工場の閉鎖に伴い調査を実施したところ、鉛・揮発性有機化合物による土壌汚染、揮発性有機化合物による地下水汚染が発見されました。地下水汚染については、周辺の民家の井戸からも発見されました。
 土壌は掘削除去、地下水は水素供給材を用いたバイオ浄化を行い、2年間の地下水モニタリングを行いました。モニタリング中に宅地へと開発されました。
 2年間のモニタリングが終了し、事業者側はモニタリングの終了を希望していましたが、行政担当者は継続を希望していました。
評価のポイント
Point(1) バイオ浄化は効果があるのか
 バイオ浄化はアメリカでは多くの施工例があり、その報告によるとVOCの浄化に十分な効果が見られます。
 効果の程度は、土壌中の微生物の量など対象地の条件によって異なりますが、対象地で事前に行った効果確認調査において、バイオ浄化が可能であると確認されています。
 また、浄化中およびモニタリング中の地下水のVOC濃度の推移からも、バイオ浄化の効果が確認できます。
Point(2) 健康リスクはあるか
 モニタリング中、地下水のVOC濃度はほぼ基準値以下で推移しています。
 また、周辺の井戸水は飲用に供されていません。
 以上より、地下水汚染による健康リスクは低いと判断しました。
Point(3) モニタリングを継続すべきか
 対象地では、地下水の汚染源は明確ではありませんでした。
 水素供給材は微生物により消費されるため、新たな汚染が起こった場合は効果がありません。
 以上より、モニタリングの継続については検討の余地があるとしました。
ユーザーの声
事業者
自主的な調査・浄化活動に対して、適切に進めてきていると確信がありましたが、評価委員会からも適切であるとの評価を受けられたため、早期解決できました。それにより、
経済的・経営的な負担が軽減できました。
地主
自分の代では解決できず、息子に託さねばならないと悩んだこともありましたが、公正な目でチェック戴いたことが
早期解決に繋がりました。
調査機関
事業者は行政に不満をもち、その結果地主との関係も険悪でした。調査機関としてリスクコミュニケーションを行うには限界だと考え、第三者評価を提案しました。その結果、
複雑に絡み合っていた利害関係者の糸が解けるきっかけとなり、事業者の企業リスクを大きく軽減できました。
行政からの聞き取り
第三者評価は今日まで存在しなかったシステムであり、私どもは当初難色を示しました。しかし、評価報告書を見て
調査・対策の過程がきちんと整理されており、私どもの疑問点についても指摘され、納得できるものでした。
評価結果を真摯に受け止めることで、対話が促進されたと思います。(文責:評価委員会サポートスタッフ)